英語の「バーゲン」ってどんな意味?【バリー・リンドン】

バーゲン

映画『バリー・リンドン』で、レドモンドがイギリス軍を脱走するシーンの直前。

レドモンドがゲイの兵士たちの会話を盗み聞きするシーンがあります。

ここで目にとまった英語の表現がありましたので、本日はそれを皆さんとシェアしたいと思います。

映画がはじまって49分57秒のところです。

JONATHAN : I’m afraid I shall have to go away again. Probably for about a fortnight.
FREDDIE : Oh my god, you’re not serious?
JONATHAN : Yes, I’m afraid I am. There’s nothing I can do about it.
FREDDIE : Where are you going to this time?
JONATHAN : I’m going to Bremen, carrying important messages and dispatches to Prince Henry.
FREDDIE : But, Jonathon, you promised me the last time it would be once and for all and never again.
JONATHAN : Yes, I know. And I promise you I’ve kept my part of the bargain, but Pontersby insists that I’m the only one on his staff.

ジョナサン「また行かなくちゃいけないんだ。多分2週間かそこらのうちに」
フレディー「なんてことなの。ホントに?」
ジョナサン「うん。残念ながら。どうしようもないんだ」
フレディー「今度はどこへ?」
ジョナサン「ブレーメンへ、ヘンリー王子に大事な文書を届けに」
フレディー「でもジョナサン、前回もう金輪際こんなことはないって約束したじゃない」
ジョナサン「そうだね。約束どおり、僕もそのつもりだったよ。でもポンテシュビー殿が、頼めるのは僕しかいないって」




one’s side of the bargain(約束通りに実行する)

ここで注目したいのがこの1行。

I promise you I’ve kept my part of the bargain.
約束通りにするつもりだった)

ここに出てくる bargain という単語。
日本語英語の「バーゲン」の元になった言葉ですね。

しかしこのシーンではどうも日本語で使われるような「特価品」みたいな意味とは違うようです。

調べてみたところ、bargain には確かに「特価品」という意味もあるんですが、ここでは「約束」という意味で使われています。

辞書によると、bargain という単語にはこれだけの意味があるんですね。

bargain =(名)売買契約、契約、取引、協定、約束、特価品

なんで「約束」と「特価品」が同じ bargain という言葉で言い表せるのか?

これは bargain という言葉の語源が古フランス語「bargaignier(値切る)」からきていることで理解できるんですね。

「値切る」が「安い買い物」という意味になり、「特価品」という意味になったのはわかりますよね。

「約束」の方は、

「値切る」から「値段を交渉する」となり、「売買契約をする」という意味に発展、

さらに「契約」という概念から、「約束」という意味に発展したんじゃないかと想像できます。

今回の『バリー・リンドン』では

keep one’s part of the bargain

という熟語で出ています。

辞書を調べてみたところ、この通りの熟語は載っていなかったのですが、

keep one’s side of the bargain = 約束を守る、約束通りに実行する

という熟語がありました。

他の映画から用例をひとつ。

映画『マッドマックス2』より
PAPPAGALLO : l want you to drive the tanker.
MAX : Sorry. We had a contract. l kept my part of the bargain.

パッパガーロ「タンクを運転してほしいんだ」
マックス「悪いな。契約は契約だ。約束はもう果たしたぜ」

また、これとほぼ同じ意味で

keep one’s end of the bargain = 約束を果たす

という熟語もありました。

これも他の映画から用例をひとつ。

映画『カサブランカ』より
How do I know you’ll keep your end of the bargain?
(君がちゃんと約束を果たしてくれるという保障はあるのか?)

で、本日とりあげた『バリー・リンドン』の会話では、この side や end の部分が part になっているんですね。

方言か古い表現なのかはわかりませんが、分脈などから、ほぼ同じ意味だと言っていいでしょう。

bargain の用例あれこれ

他の映画から bargain の用例をいくつか探してみました。

まずは日本語の「バーゲン・セール」の「バーゲン」つまり「特価品」「安売り」の用例。

映画『トゥルー・ロマンス』より
ELLIOT : So, you got $500,000 worth of cola that you’re unloading for $200,000.
CLARENCE : “Unloading.” That is a hell of a way to describe the bargain of a lifetime.

エリオット「つまり、君は所持している50万ドル相当のコークを、20万ドルで“叩き売り”たい、というんだね」
クラレンス「“叩き売り”か。そいつは空前絶後の大特価にピッタリの表現だ」

0:21のところ

次は「取り引き」の用例。

映画『レベッカ』より
“I’ll make a bargain with you,” she said. “You’d look rather foolish trying to divorce me now after four days of marriage,
so I’ll play the part of a devoted wife.”(中略)… I should never have accepted her dirty bargain, but I did.
(「取り引きをしましょう」そう彼女は言ったんだ。「結婚して4日で離婚じゃ体裁が悪いでしょ。だから献身的な妻を演じてあげるわ」(中略)……彼女の汚い取り引きに応じるべきじゃなかった。でも僕は言う通りにしてしまった)

「売買契約」の用例。

映画『アラビアのロレンス』より
AUDAR : One clock for two lamps.
BRIGHTON : A fair bargain.
AUDAR : Fair? I robbed him.

アウダ「時計ひとつ、ランプ2つと交換した」
ブライトン「公平な売買だな」
アウダ「公平? ぼったくったみたいなもんさ」

さて、ここまで名詞の用例ばかりを紹介しましたが、bargain を動詞として使う場合、以下のような意味があります。

bargain =(動)駆け引きをする、合意する、値切る、当てにする

動詞としての用例も他の映画からひとつご紹介します。

映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』より
TOAST : He’s not gonna hurt us. He needs us.
THE DAG : Why?
TOAST : To bargain.

トースト「彼はわたしたちに危害を加えたりしないわ。私たちが必要なのよ」
ダグ「なんで?」
トースト「駆け引きに使えるから」

上は「駆け引きする」の用例ですが、「当てにする」の概念も含まれてますね。
ちなみにDVDの字幕では「人質にできるから」となっていました。

その他のボキャブラリー

fortnight = 2週間

dispatch = 公式文書、派遣

once and for all = 今回限りで、もうこれっきりで

あとがき

本日は映画『バリー・リンドン』のさりげない会話から、bargain という言葉をご紹介しました。

ちなみに、このシーンの後、レドモンドは馬ごとフレディーの将校服と身分証を盗んで、イギリス軍を脱走することに成功。

ところがアイルランドにたどり着く前に、プロシア軍に捕まってしまい、いっそうガラの悪い男たちに囲まれて兵役を過ごすことになるんですね。

この後のシーンにも英語の勉強になりそうな言葉がたくさん出てきますので、またおいおいご紹介して行きたいと思います。

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