「飼いならされた」「思い通りに」を英語で?【バリー・リンドン】

本日はキューブリックの映画『バリー・リンドン』から、こちらの博打シーンをとりあげて、英語のボキャブラリーを解説してみます。

シュヴァリエとテュービンゲン大公(The Prince of Tübingen)が、カードで賭けをしています。
レドモンドは英語がわからない召使いのふりをして、シュヴァリエにこっそりと敵のカードをサインを送って知らせています。

イカサマを察したテュービンゲン大公が、シュヴァリエに文句を言う場面。

上の動画では0:57からの部分。
映画本編では1時間20分50秒のところです。

PRINCE : Chevalier, though I cannot say how. I believe you have cheated me.
CHEVALIER : I deny Your Grace’s accusation and beg you to say how you have been cheated.
PRINCE : I don’t know. But I believe I have been.
CHEVALIER : Your Grace owes me 5,500 frederick d’or which I have honourably won.
PRINCE : Chevalier, if you will have your money now, you must fight for it. If you will be patient, maybe I will pay you something another time.
CHEVALIER : Your Grace, if I am to be so tame as to take this, then I must give up an honourable and lucrative occupation.
PRINCE : I have said all there is to be said. I am at your disposal for whatever purposes you wish. Good night.

大公「シュヴァリエ、どんな手を使ったのかはわからないが、貴様イカサマをしたな」
シュヴァリエ「殿下が言いがかりとは異な事を。どのようなイカサマがあったと申されますか」
大公「それはわからんが、確かにあった」
シュヴァリエ「殿下は私に5,500フレデリック金貨の貸しがあるのです。正当な勝負で私が勝ち取ったものです」
大公「シュヴァリエ、今すぐその金が欲しいなら、決闘でも申し込むがいい。辛抱強く待つというのなら、いつかは払ってやる」
シュヴァリエ「殿下、ここで私が大人しく引き下がるくらいなら、こんな素晴らしく儲かる仕事も廃業します」
大公「とにかく言うだけのことは言った。あとはお前次第だ。好きにするがいい。では」




tame

まずはこちらのセリフに出てくる tame という単語。

If I am to be so tame as to take this, then I must give up an honourable and lucrative occupation.
(ここで私が大人しく引き下がるくらいなら、こんな素晴らしく儲かる仕事も廃業します)

tame = 飼いならされた、大人しい、従順な

映画を見てるとよく出てくる単語ですので、ご存知なかった方はこの機会に覚えておくとよいと思います。

映画『猿の惑星(1968)』より
JULIUS : You could get hurt doing that, Doctor.
ZIRA : Oh, don’t be silly. He’s perfectly tame.
JULIUS : They’re all tame until they take a chunk out of you.

ジュリアス「博士、怪我しますよ」
ジーラ「いや、それはない。こいつはすっかり飼いならされてるよ」
ジュリアス「あなたを噛みちぎるほど飼いならされてますよ」

ちなみに、上記は形容詞としての用法ですが、tame は「飼いならす」という動詞にもなります。

また、これに否定の un- をつけて、過去分詞の形で

untamed = 飼いならされていない、野生の

という形容詞の用法も、けっこうよく見ます。

カルト映画『ロッキー・ホラー・ショー』に『Wild And Untamed Thing(自然な野生人)』という歌がありましたね。

at one’s disposal

次はこちらのセリフにある、at one’s disposal という表現。

I am at your disposal for whatever purposes you wish.
どうとでも好きなようにお前の判断に任せる

at one’s disposal = 〜の思い通りに

disposal = 処分

つまり at your disposal で、「あなたの処分に任される」ということで、「思い通りにできる」という意味になるわけですね。

これも結構よく出くわす表現ですので、覚えておくとよいです。

映画『カサブランカ』より
STRASSER : You will give us the names?
LASZLO : If I didn’t give them to you in a concentration camp where you had more persuasive methods at your disposal, I certainly won’t give them to you now.

シュトラッサー「名前を教えてくれるかね?」
ラズロ「私は強制収容所で、もっと厳しい方法であなたのいいようにされて、それでも吐かなかったんですよ、今さら教えるわけないじゃないですか」

その他の注目ボキャブラリー

cheat = イカサマをする、ズルをする

deny = 否定する

accusation = 告発する

patient = 我慢強い

another time = 別の折に

lucrative = 儲かる

occupation = 仕事、職業、保有

あとがき

本日はキューブリックの『バリー・リンドン』の博打シーンで英語の勉強をしてみました。

しかしそれにしても、このシーンのテュービンゲン大公の顔は印象的ですね。

私は高校の時に名画座で初めてこの映画をみて、数々の名シーンや映像美と同じくらいの強烈さで、このキャラクターの顔が頭に残った記憶があります。

本日はぜひこのテュービンゲン大公のお顔と一緒に、英語のボキャブラリーも頭に焼き付けていってくだされば幸いです。

Prince of Tübingen

© Warner Bros. Entertainment Inc.

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