「属性」を表す英語表現と、determineの使い方について【イングロリアス・バスターズ】

前回に引き続き、ハンス・ランダとラパディット氏の会話で展開する『イングロリアス・バスターズ』の名オープニングをネタに、英語の勉強になる記事を書いていこうと思います。

本日とりあげるのはこの部分。
有名なネズミの例えバナシの最初ですね。

英文を引用するのはこの動画の1:03からのセリフ。
映画本編では開始から13分54秒のところです。

The feature that makes me such an effective hunter of the Jews is, as opposed to most German soldiers, I can think like a Jew where they can only think like a German. More precisely, a German soldier. Now, if one were to determine what attribute the German people share with a beast, it would be the cunning and the predatory instinct of a hawk. But if one were to determine what attributes the Jews share with a beast, it would be that of the rat.

私がなぜ腕利きのユダヤ人ハンターと呼ばれているのか、それは他のドイツ軍人たちと違って、ユダヤ人の視点に立ってモノを考えられるからだ。皆ドイツ人の、いやもっと正確に言うと、ドイツ軍人のモノの見方しかしようとしない。さて、もしドイツ人の性質を獣に例えるなら、鷹のズル賢さと肉食性にあると言える。対して、ユダヤ人の性質を獣に例えるなら、それはネズミのアレだな。




feature と attribute について

このセリフの中に、featureattribute という言葉が出てきますね。
この2つの単語はどちらも「属性」という概念を表す類義語です。

「属性」というといっけん難しそうな言葉ですが、

例えばクエンティン・タランティーノの属性は、「映画監督である」ことや、「男性である」こと、または「アメリカ人である」こと、など。

このブログの属性は「私(トム)が書いている」ことや、「英語についてのブログである」こと、または「Wordpressで作っているウェブサイトである」ことなどですね。

いわゆる「属性」とは、「そのものが持っている性質・特色」ということになります。

feature とか attribute って日本人にはわかりにくい言葉ですが、上記の概念を念頭において解釈していくと、ちょっとわかりやすくなってきますね。

例えば feature は日本語に訳すと、文脈によって「顔立ち」「特色」「目玉(呼び物)」などになります。

よく映画や音楽のプロモーションビデオで「featuring ◯◯」なんて宣伝文句をよく見ます。

例えば宇多田ヒカルの新曲のプロモーションビデオに椎名林檎が出演している、みたいな状況のとき

“宇多田ヒカル 二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎”

なんてタイトルに出ますね。

この場合は「目玉(呼び物)」の用例で、日本語に訳すなら「特別出演」みたいな言葉が適切になるんでしょうか。

他にも雑誌の特集記事、なんてのも feature article なんて言ったります。

これらみんな「属性」という概念からきてるんですね。

で、このハンス・ランダのセリフにあるように、「特徴」「特色」などの使い方もできるわけです。

The feature that makes me such an effective hunter of the Jews is, as opposed to most German soldiers, I can think like a Jew.
(私を腕利きのユダヤ人ハンターたらしめている特性、それは他のドイツ軍人たちと違って、ユダヤ人の視点に立ってモノを考えられる点だ)

「特徴」や「特色」「特性」と、「特別出演」や「特集記事」がどうして同じ feature という言葉で表せるのかというと、それは「属性」という概念でひとまとまりに考えられるんですね。

 * * *

対して、attribute という動詞ですが、辞書などで調べると

attribute = 〜に帰する、〜のせいにする、〜に原因があるとみなす、〜に由来する

などと書いてあります。

いまいちわかりにくい言葉ですが、これも、何かの「属性」を説明するために使う動詞、ということで考えるとちょっと見通しが明るくなりますね。

このハンス・ランダのセリフを改めて見てみましょう。

what attribute the German people share with a beast
(何がドイツ人と獣を共通させている原因なのか)

share with = 〜と共通する

つまり意訳すると「ドイツ人と獣に共通する性質は何か」という意味になるわけですね。

いわゆるこれもドイツ人の性質、つまりは「属性」を説明する文章として捉えることができます。

実際、attribute は名詞になると、「特質」「特性」「資質」のような意味で使われます。

この attribute の「性質」の用例をひとつ、他の映画から上げておきます。
奇しくも同じタランティーノ監督で、同じクリストフ・ヴァルツ演ずるキャラクター(シュルツ博士)のセリフです。

映画『ジャンゴ 繋がれざる者』より
I’ve been led to believe that you are a gentleman and a businessman. And it is for these attributes we’ve ridden from Texas to Tennessee to parley with you now.
(あなた様は紳士なるビジネスマンだと伺っております。そんなあなた様の資質を見込んで、こうして商談をさせていただきたく、はるばるテネシーからこのテキサスまでやって参りました)

「属性」という概念をあらわす feature と attribute 、なんとなくわかってきましたでしょうか?
英語は抽象性に優れた言語なので、こういった日本語では一言で説明しきれない言葉がたくさんあります。
こういうややこしいボキャブラリーは映画のセリフと一緒に覚えると頭に定着させやすいですね。

さて、本日はもうひとつ、日本語では一言で説明できない単語があります。

determine について

同じセンテンスに determine という動詞がありますね。
これもイマイチ厄介な単語です。

辞書で調べると意味はこんな風に出ています。

determine = 見極める、解明する、決定する

このハンス・ランダのセリフの場合は、「解明する」の用法ですね。

直訳するとこういうことになります。

if one were to determine what attribute the German people share with a beast
(もし誰かが、何がユダヤ人と獣を共通させている原因なのかを解明するとしたら)

次に、この determine という単語、他にも覚えておいたほうがいいいくつかの用法があります。

この機会に determine という単語を完璧に把握してしまいましょう。

というわけで、映画から determine の他の用例を探してみたところ、スタンリー・キューブリック監督の『バリー・リンドン』という映画で、うまいこと3つの異なる用例がありましたので、それらを引用しながら説明します。

まずこの用法。

determine = 決定する

この「決定する」という用法、decide(決める)とどう違うのかというと、decide は決めた人が誰かは関係なく、ただ「決める」という意味だけを表す言葉ですが、determine は何かしらの権力・権限によって決定される場合に使われることが多い、ということです。

この用法として、映画『バリー・リンドン』にこんなのがあります。

The King has determined to send the Chevalier out of the country.
(国王はシュヴァリエを国外に追放するよう決定した

また、この determine は受動態になって、固い決意を表すこともできます。

be determined = 固く決心した

この場合の decide との違いは、decide はただ「この選択肢を選んだ」という客観的な事実だけが表現されるのに対し、be determined の場合は、「決めたことは最後まで貫き通す」という強い意志が強調されている点です。

これも映画『バリー・リンドン』に絶妙な用例があります。

As he rode away, Barry felt once more that he was in his proper sphere and determined never again to fall below the rank of a gentleman.
(馬を走らせながら、バリーは再び自分の本分を取り戻した気がして、今後二度と紳士の地位からこの身を落とすまいと心に誓った

上のシーンは、主人公のバリーが盗賊にあい、一文無しになって仕方なく兵役で数年を過ごし、そこで略奪に明け暮れ、やっと軍隊を脱走し、「もう一生あんな卑しい人生には戻るまい、俺はこれから紳士として生きてゆくのだ」と決意を新たにするシーンのナレーションです。

最後に、determine は人間以外のモノが主語になると、「〜を定める」という意味になります。

これも映画『バリー・リンドン』から用例を引用します。

But fate had determined that he should leave none of his race behind him that he should finish his life poor, lonely and childless.
(しかし運命の定めにより、彼は子孫を残すことなく、貧しく寂しい、子供のいない余生を過ごさねばならなかった)

キューブリックに助けられましたが、determine の4つの異なる用法でした。

その他の注目ボキャブラリー

as opposed to 〜 = 〜と対照的に

more precisely = もっと正確に言えば

share with 〜 = 〜と分け合う、〜と共有する

cunning = 狡猾な、ずる賢い
日本語で「テストでずるい手を使っていい点をとろうとする」行為を意味する「カンニング」の元になった英語ですね。
ちなみに日本語の「カンニング」は英語で cheating といいます。

predatory = 捕食性の、肉食系の

齧歯類

おわりに

タランティーノの脚本はいろいろな表現が出てきて、ボキャブラリーの勉強になりますね。

本気で英語をマスターしたい方は、このブログで取り上げていない会話の部分も、ぜひテキストに当たって何度も聴き直してみることをおすすめします。

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