英会話にいろいろ使える just like that!【イングロリアス・バスターズ】

ひとりのドイツ兵がユダヤの熊のバットに沈んだその直後。

アルド・レイン中尉は次のドイツ兵を呼んで、うまいこと情報を引き出すことに成功するんですね。

このシーンです。

ここで、めでたく生きて帰れることになったドイツ兵に、アルドは「戦争が終わって故郷に帰ったらどうするんだ?」と質問をします。

するとそのドイツ兵は、「お母さんとハグして、ナチの軍服は焼き捨てます」と答える。

彼はナチスが嫌いなバスターズのお気に召すような発言をしたつもりでしたが、アルドの反応はまったく逆でした。

そのときのアルドのセリフがこちら。
上の動画の1:39からの部分。
映画本編では37分3秒のところ。

Yeah, that’s what we thought. We don’t like that. See, we like our Nazis in uniforms. That way you can spot them. Just like that. But you take off that uniform, ain’t nobody going to know yous a Nazi. And that don’t sit well with us. So I’m going to give you a little something you can’t take off.

ああ、そう言うと思った。そいつあダメだ。われらがナチはやっぱり軍服姿じゃねえとな。パッと見でわかるだろ。あ、ナチだ、ってな。これが軍服を脱いじまったら、オメーがナチだったって誰もわかんなくなっちまう。そいつあどうにも納得いかねえ。だから今から絶対に脱げない印をつけてやるからよ。

こうしてそのドイツ兵はナイフで額に鉤十字のマークを刻まれてしまうんですね。




just like that「あんな感じで」のニュアンス

アルドのセリフにある just like that というフレーズ。

これは英会話でなかなか使える表現です。

文字どおりに理解するなら、「ちょうどあんな感じで」「ちょうどそんな具合に」「ちょうどこんな按配で」みたいな意味です。

訳すときもその通りで問題ないんですが、この言葉の裏には「簡単に」「平気で」「突然に」「あっさりと」「あっという間に」などのニュアンスが隠れている点がポイントです。

ちょうどいい例をあげましょう。

ディズニー映画『アナと雪の女王(Frozen)』で、ハンス王子のセリフにこんなのがあります。

You were so desperate for love, You were willing to marry me, just like that.
(君はそれは愛に飢えていて、俺と結婚したがっていた。あんな風にさ

この場合の「あんな風に」は、「俺みたいな、お前をただ利用しようとしていただけの男にコロッとその気になりやがった」みたいな見下した気持ちが入った just like that なんですね。

こんな風に、just like that は、日本語では一言で表せないニュアンスが裏に隠れている言葉です。

次はちょっと深い例をあげましょう。

『イヴの総て(All About Eve)』という映画での会話から。

イヴというちょっと表裏のある女優が、脚本家のカレンの弱みを握って脅迫まがいのお願いをし、先輩の女優マーゴから主役の座を奪いとることに成功するんですね。
その直後の映画評論家アディソントの会話がこちら。

ADDISON : And Karen mentioned, of course, that Margo expects to play the part?
EVE : Oddly enough, she didn’t say a word about Margo. Just that she’ll be happy to do what she can to see that I play it.
ADDISON : Just like that, eh?
EVE : Just like that.

アディソン「マーゴがその役を演る予定なんだって、当然カレンは言ってただろ?」
イヴ「不思議なことに、マーゴのことは一言も。彼女、わたしがあの役を演るのを楽しみにしているみたい」
アディソン「ははあ。こんなものさ、ってか?」
イヴ「そんなものよ

アディソンはイヴの腹黒な本性に薄々気が付いているので、「ああ、きっと何か汚い手を使ったんだな」と察するんですね。
だからこのアディソンの just like that, eh? というセリフは「わたしの手にかかったら主役の座をものにするなんて簡単なことよ、ってか?」という皮肉っぽいニュアンスが含まれているんですね。

それに対して、イヴがおうむ返しに答える just like that は、自分が汚い手を使ったことをしらばっくれていて、「本当にあっさりしたものだったわ」みたいな白々しいニュアンスが含まれているんですね。

つまりこの2つの連続する just like that は、それぞれ裏にあるニュアンスが微妙に違うんです。

just like that はこのように、「あんな感じで」の裏に「簡単に」「平気で」「突然に」「あっさりと」「あっという間に」などのニュアンスが含まれているんですね。

この『イングロリアス・バスターズ』のシーンでは、ナチスを見下した、アルド大尉の皮肉っぽい目線がみてとれます。

こういった感じで、皮肉っぽい言い回しや「あまりにも簡単で拍子抜けした」とか、他にも「突然のことであっけにとられた」みたいな感情を表す場合、「そんなの大したことじゃないやい」みたいに意地を張る場合など、英会話でけっこういろいろ使える言葉です。

ニュアンスをしっかり把握すれば英会話でかなり便利に使える表現ですので、ぜひ感じをつかんで使いこなしてみてください。

その他の注目ボキャブラリー

spot = 目に留まる
この単語、こないだも出ましたね。ハンス・ランダは何故ショシャナを撃たなかったのか?【イングロリアス・バスターズ】参照)

yous = you are を省略した口語表現
「ユーズ」と発音します。
youz と綴られる場合もあります。

sit well with 〜 = 〜が納得できる、しっくりくる
not sit well with 〜 = 〜が納得できない、しっくりこない

日本語でも「すわりが良い」「すわりが悪い」という言い方がありますね。海を越えて同じような表現があるものです。

まとめ

今日は just like that という便利な言葉を中心に、アルド中尉のセリフを分析してみました。

最後はイギリスのお笑い芸人、トミー・クーパー(Tommy Cooper)が70年代にリリースしたシングル『Just like that』でこの記事をおわりにしたいと思います。

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