英語の勉強にタランティーノの映画をおすすめするこれだけの理由

クエンティン・タランティーノ

英語の勉強に映画が効果的、とよく言われております。

Googleでも「英語 勉強 映画」などで検索すると、英語の勉強におすすめの映画などがたくさん出てきますね。

このブログは「映画で英語を勉強するブログ」なので、英語の勉強におすすめの映画を紹介する記事もひとつくらいは書いておかないといけないな、と、そう思う今日この頃なのですが……

私に言わせれば、

英語の勉強にはクエンティン・タランティーノ脚本・監督の映画がおすすめ!

この一言で済んじゃうんです。

クエンティン・タランティーノ(Quentin Tarantino)は現時点までに9本の長編映画を脚本・監督していますが(『キル・ビル』は2本分としてカウント)、私が「英語の勉強におすすめの映画のベストテンを挙げてくれ」と頼まれたら、迷わず1位から9位まではタランティーノの映画を選びます

私はこれまで30本以上の洋画で英語の勉強をし、そのすべてのセリフと、ナレーション、BGMに使われた歌などに含まれたボキャブラリーとリスニングを吟味してきたんですけれども。

その経験からいうと、タランティーノの映画の、英語の学習効果は、他と比べてとにかく段違いなんです。
タランティーノの映画で英語を勉強している期間中だけ、飛躍的に英語力があがる、という事実を明確に実感しています。

そこで本日は、なぜ英語の勉強にクエンティン・タランティーノ脚本・監督の映画がおすすめなのか、その理由を分析して、記事にしてみました。

ぜひ皆様の英語の勉強の参考にしてください。




理由その1:会話が多い

英語の勉強にタランティーノの映画がおすすめである、その第一の理由として、まず会話の多さが挙げられます。

タランティーノの映画の魅力といえば会話シーン、これはよく言われることですよね。
登場人物たちが、ストーリーに関係のない無駄話を長々とする。

例えばギャングたちがこれから危ない仕事をしに行く途中で、ハンバーガーの話しをしていたり(パルプ・フィクション)、歌手のマドンナの話しをしていたり(レザボア・ドッグス)。

それがとても自然な会話で、普段からアメリカ人は仕事の合間や友達と会っているとき、こんな風に雑談をしているんだな、というニュアンスがビンビン伝わってくるんですね。

タランティーノの映画を見た実際のギャングが、「これは俺たちがしている日常会話そのものだ」と言ったというエピソードもあるくらいです。

タランティーノは作家のエルモア・レナードに影響を受けていて、ストーリーに関係のない日常会話を多く取り入れることで、キャラクターにリアリティを持たせるテクニックを駆使しているんですね。

われわれ映画で英語の勉強をしている輩は、その作風の恩恵に大いにあずかれる、というわけです。

理由その2:英語の表現が豊か

タランティーノの映画が英語の勉強になる、その第2の理由として、タランティーノの文章力の素晴らしさ、表現の豊かさが挙げられます。

日本では普通、物語の会話というのは、詩的で文学的であればあるほど、実際の日常会話のリアリティとかけ離れていく、というジレンマがありますね。

例えば三島由紀夫が脚本を書いた『黒蜥蜴』(深作欣二監督、美輪明宏主演)という映画を見たことありますでしょうか。
あの映画はさすが三島由紀夫だけに、とにかく見事な文章でセリフが書かれているんですけど、ああいう会話は、日常会話ではまずあり得ない。

ところがアメリカの腕のいい脚本家は、日常会話としても自然で、それでいて詩的で文学的な会話がどれだけ書けるか、が実力の見せどころ、であることが多いんですね。

例えば小説家でH・P・ラヴクラフトっていう人がいますけど、彼なんか、会話がヘタで、日常会話としても不自然だけれども、同時に文学的でも詩的でもない。

アメリカでは概ね、文学的で詩的であることと、日常会話として自然であることは、一致することが多いんです。

アメリカのライターは、「そんな言葉、日常会話では滅多に聞かないぞ」みたいなボキャブラリーも、さりげなく会話に取り入れるのが本当にうまい。

タランティーノはまずそういった文学的で詩的で、それでいて自然な会話を操る典型的なアメリカのライターの、最先端に君臨する作家なのだと言えます。

私は以前「映画を勉強する方法」という一連の記事で、映画で英語を勉強する2大メリットのひとつとして、ボキャブラリーが効率よく増やせること、をあげました。
この利点を最大限に活かせる素材が、表現豊かなタランティーノの映画なんですね。

理由その3:会話が聴き取りやすい

これもタランティーノの映画が、英語の勉強に効果的である重要な理由のひとつです。
というより、これが最大の利点じゃないでしょうか。

タランティーノの映画の会話は、とても聴き取りやすいんですね。

程度の話しだけしたら、一番、聴き取りやすい、とは言いません。平均より上、というレベルです。
そういう話しではなく、タランティーノの演出する会話シーンは、独特の聴き取りやすさがあるんです。
文章の素晴らしさと相まって、慣れると頭の中にスッと入ってくるリズム感みたいなものを持っているんですね。

例えば、同じタランティーノが脚本を書いたんだけれども、監督は別の人(トニー・スコット)である映画『トゥルー・ロマンス』などは、やはり会話がゴニョゴニョ言ってる部分が多くて、聴き取りづらい。
とくにゲイリー・オールドマン演ずるドレクスルがしゃべるところなど、間違いなく私が今まで英語を勉強した映画全編を通して、一番聴き取りにくいセリフです。

きっとタランティーノは演出によって俳優にリズムよくセリフを謳わせる天性の才能を持ってるんでしょう。

セリフのリズムがいいから、暗唱もしやすい。

私は以前「ボキャブラリーは英文の暗唱でガンガン増やせる」という記事で、映画のセリフを暗記することの利点を説明しましたが、タランティーノの映画のセリフは、その音楽的なリズムと一緒に、頭に入れやすいんですね。
思わず覚えたくなるようなイカすセリフも多いですし。

この独特のリズム感によって、セリフが心地よく耳に響いてくる。

だからタランティーノの映画はリスニングの上達にもめざましく効果的な素材だと言えるわけです。

理由その4:飽きない

映画で英語を勉強する上で、一番の大敵ってなんだかわかりますか。
その映画を「見飽きること」なんですね。

ひとつの映画に含まれたボキャブラリーを調べ尽くし、テキストに当たってリスニングを制覇し、その上で、映画を何度も繰り返し見る。
だからこそ学力が身につくんですね。

飽きない映画を選ぶ、これはかなり重要課題です。

これは人によるかもしれませんが、タランティーノの映画って、割と何度見ても飽きないんですね。

その理由として、きめ細やかな演出によるキャラクター造形の巧みさ、セリフの味わい深さが挙げられます。
タランティーノは俳優の味のある演技を引き出す天才ですし、セリフは文学的で詩的だときている。

例えば歌って何度も聴くものですよね。

俳優が味のある演技で、タランティーノの詩のようなリズムを伴った名文を読む、この点だけでもタランティーノの映画はごはん何杯でもいけます。

その上、俳優のメイク、セット、衣装、小道具、細部に至るまでとにかくタランティーノ映画は工夫を凝らしている。
例えば『ジャンゴ 繋がれざる者』の馬糞、ぬかるみ、無精髭、土ぼこり、フォークが歯をかする音、ビールの泡。徹底して時代の手触りを感じさせる作り込みをみてください。
『ヘイトフルエイト』のミニーの紳士洋服店のセットの作り込みの細かさ、まるで見ているわれわれがその場にいるような臨場感を思い出してください。
黒澤明やコーエン兄弟などと並ぶリアリティです。

これらのきめ細かな演出によって、タランティーノの映画を見るたび、私たちの魂はまさにその場所へ行ってしまう。
そして見るたびに新しい発見がある。

私は一番好きな『ジャッキー・ブラウン』など50回は見てますが、それでも未だに飽きない。

どんなに英語の勉強になっても、2〜3回くらいですぐ見飽きちゃうんじゃ、しょうがないですもんね。

クエンティン・タランティーノ

デメリットについて

さて、これまでタランティーノの映画で英語を勉強することのメリットばかりをあげてきましたが、それでは「果たしてデメリットはないのか?」という疑問を持たれた方もいらっしゃるかと思います。

そこで最後に、ひょっとしたらこれはデメリットになるかな? と思われる点を2つだけ挙げておきます。

私はそれほどデメリットだと思っていませんが、気になる方もいらっしゃるかもしれませんので、よろしければ参考にしてください。

デメリットその1:特殊な訛りやアクセントが多い

タランティーノの映画の特徴として、いろんな人種が出てくる、という点があります。
黒人、イギリス人、ヒスパニック、インディアン、オーストラリア人、日本人、フランス人、ドイツ人、イタリア人、中国人、アメリカ南部人、などなど。
これらぜんぶ、スタンダードな英語の発音と違う、独特の訛りやアクセントをしゃべる人たちばかりです。

例えば『イングロリアス・バスターズ』でブラッド・ピットが演じるレイン中尉なんて、山男の子孫でインディアンの血も混じっているという得体の知れない男ですが、この人のしゃべる英語なんて強烈なまでに独特ですね。
他にも『ジャッキー・ブラウン』でサミュエル・L・ジャクソン演じるオデールも、かなり濃厚な黒人英語です。

しかしこれは、私にしてみたら、ヘンな発音で英語を覚えてしまうデメリットより、いろんな発音のパターンで英語を聴くことで、総合的にリスニング力が上達するメリットの方が大きいと感じてます。
なので、ハードル上げてくれてありがとう、くらいに私は思ってますが、あくまでも綺麗でスタンダードな英語の発音ばかりでリスニングを練習したい、とこだわる方には、デメリットと言えるかもしれません。

デメリットその2:スラングが多い

タランティーノの映画はスラングがめちゃくちゃ多いんですね。
これも気にする方にはデメリットになるかもしれません。

ただ以前に「英会話の上達に必須! 映画のマイナーな言葉から文化を学ぶ」という記事でも書きましたが、スラングも英語をしゃべる人たちの文化のひとつですし、あらゆる映画を字幕なしで見たり、いろんな人の考え方やセンスを理解したりする上で、スラングも避けて通れない道だと思います。

英会話で自分から使う言葉にだけ気をつけるようにしていれば、デメリットはTOEICなど特定の目的で英語を勉強している人によって、ちょっと非効率になってしまうかもしれない、それくらいでしょう。

しかしタランティーノの映画はとにかく会話の絶対量がケタ外れなので、そのデメリットさえも私にしてみたら怪しいものです。

まとめ

クエンティン・タランティーノ脚本・監督の映画がいかに英語の勉強におすすめなのか、その理由がおわかりいただけたでしょうか。

特に3番目のタランティーノ演出による特殊な会話のリズムは特筆に値します。
最初の2つの理由(会話の多さと表現の豊かさ)は、いってしまえば量の問題なので、タランティーノ以外の監督作品でもひょっとしたらありうるかもしれない利点です。
しかしタランティーノが織りなすダイアローグの独特のリズム感は、唯一無二のものです。

最初に書いたことの繰り返しになりますが、私はこれまで30本以上の映画で英語の勉強をしてきて、タランティーノの映画で勉強している期間のみ、飛躍的に英語力があがる、という実感がありました。

その絶対的事実の要因は、タランティーノのリズム感覚にトドメを刺す、と言っても過言ではありません。

例えばよくおすすめされている『サウンド・オブ・ミュージック』や『アナと雪の女王』でも私は英語の勉強をしましたけど、それらの良作と比べても、タランティーノの映画の英語の勉強になる度合いはレベルが違う、という感じがします。
もうほとんど別モノと言っていいくらいです。

この記事の冒頭で、英語の勉強におすすめの映画のベストテンを作ったら、1位から9位まではタランティーノの映画になる、と言いました。
そこで「じゃあ10位は何になるんだ?」と疑問をもたれた方もいらっしゃるかと思います。
しかしタランティーノの映画と比べたら、あとはどんぐりの背比べという感じで、何を選んでいいのか本当にわからないんですね。
それだけ英語の勉強の効果としては、タランティーノの映画は別物なんです。

きっと私の英語の勉強法との相性もいいんでしょう。
(私の映画を使った英語の勉強法については、「映画で英語を勉強する方法」の記事をお読みください)

タランティーノが好きで、タランティーノの映画で英語の勉強をしたいんだけど、スラングが多いし……とか躊躇している方がおられましたら、どうか気にせずに、大いにタランティーノ映画で英語の勉強をしてみることをおすすめします。

他の映画と比べてケタ違いの会話量とバラエティに富んだ表現の洪水が、まるで音楽のような心地よいリズムでどんどん頭に流れこんでくる。

この感覚、実際にタランティーノ映画で英語を勉強してみて、「ああ、なるほど、トムが言ってるのはこの感じかあ!」と一度わかったら、もう本当にタランティーノの映画は英語の勉強に欠かせなくなりますよ。

このブログでも、「英語学習ノート」カテゴリで、いずれタランティーノの映画は全作品とりあげていく予定でいますので、ご期待ください。

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