make の「〜たらしめる」「〜に成る」の用法について【サウンド・オブ・ミュージック】

love hurts

マリアがゲオルグへの恋心を初めて意識してしまい、トラップ家を出てゆく決意をする。

ここのエルザと交わすダイアローグは英会話に使えそうなボキャブラリーの宝庫です。

下の本編がはじまって1時間39分からの部分。

Maria : In love with him?
Elsa : Of course. What makes it so nice is he thinks he’s in love with you.
Maria : But that’s not true.
Elsa : Surely you’ve noticed the way he looks into your eyes. And you know, you blushed in his arms when you were dancing just now. — Don’t take it to heart. He’ll get over it soon enough, I think. Men do, you know.
Maria : Then I should go. I mustn’t stay here.
Elsa : Is there something I can do to help?
Maria : No, nothing. — Yes. Please, don’t say a word about this to the captain.
Elsa : No. No, I wouldn’t dream of it. Goodbye, Maria. I’m sure you’ll make a very fine nun.

マリア「わたしが彼に恋をしてるですって?」
エルザ「もちろんよ。さらにめでたいのは、彼もあなたに恋してるってこと」
マリア「でも、それは違いますよ」
エルザ「あなただって、その瞳を見つめる彼の視線に気づいたはずよ。それに彼と踊っている最中、あなたも彼の腕の中で顔を赤らめていたわよね、ついさっき。……そんなに気にすることはないわ。彼はすぐ乗り越えられる、きっと。男だもの、ねえ」
マリア「それが本当なら、出ていかないと。ここにはいられません」
エルザ「わたしに何かできることあるかしら?」
マリア「いいえ、何も。……いや、このことは一言も大佐には言わないでください」
エルサ「ううん。言うもんですか。さよなら、マリア。あなた、きっといい尼さんになれるわよ」




注目のボキャブラリー

この短い会話の中に、英会話の勉強になるフレーズがてんこ盛りです。
ざっと挙げ連ねてみますと・・・

just now = ついさっき、つい今しがた
now という単語が入っているので「たった今」という意味だと思いやすいですが、「ついさっき」という意味です。
「たった今」というニュアンスで使われることもあります。

Don’t take it to heart = 気にするな
take to heart で「心まで持っていく」ということで、「気に病む」のような意味になります。
また、前向きな意味で使うと「しっかり受け入れる(肝に銘じる)」のような意味にもなります。
これも英会話で使えそうですね。

Is there something I can do to help? = 何かわたしに出来ることありますか?

get over = 乗り越える、困難を克服する

would not dream of it = そんなこと夢にも思わない

make の「作る」以外の使い方あれこれ

さて、ここからが今日の本題です。

この短い会話の中に、make という単語が2度も出てきます。
make というと「作る」または「〜させる」というイメージが強いですが、他にもいろいろな用法があります。

まず2行目の what makes 〜 … の構文、これは「〜を…たらしめているもの」といった意味です。
下のようなのが典型的な用例ですね。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』より
This is what makes time travel possible.
(これぞタイムトラベルを可能たらしめるものだ)

(下の動画の2:36からの部分)

what makes 〜 … は、他にも下のように「なんで」つまり why と同じ意味にもなります。

映画『ジャンゴ 繋がれざるもの』より
I’m curious what makes you so curious.
なんであんたがそんなことに好奇心をそそられるのかに、俺は好奇心をそそられるね)

また、下の例のように「どこが」という意味にもなります。

映画『スカーフェイス』より
What makes you so much better than me? What do you do? You deal drugs and you kill people. Oh, that’s wonderful, Tony. Real contribution to human history.
(あなたのどこがわたしより優ってると言うの? あなたのやってることなに? 麻薬売って、人殺して。まあ素敵ね、トニー。ホント人類に貢献してるわ)

(下の動画の3:19からの部分です。R指定ですので、汚い言葉がお嫌いな方は注意してください)

下はすべてのパターンの盛り合わせですね。

映画『オズの魔法使い』より
Courage! What makes a king out of a slave? Courage! What makes the flag on the mast to wave? Courage! What makes the elephant charge his tusk in the misty mist, or the dusky dusk? What makes the muskrat guard his musk? Courage! What makes the sphinx the Seventh Wonder? Courage! What makes the dawn come up like thunder? Courage! What makes the Hottentot so hot? What puts the “ape” in apricot? What have they got that I ain’t got? Courage!

勇気! 王様が奴隷と違うのはどこだ? 勇気! 掲げられた旗を揺らすものはなんだ? 勇気! 濃い霧の中だろうが、ゲホゲホの埃の中だろうが、象がその牙で突き進むのはなぜだ? ジャコウネズミがジャコウを守るのはなぜだ? 勇気! スフィンクスを世界七不思議たらしめているのはなんだ? 勇気! 雷のごとく日が昇るのはなぜだ? 勇気! ホッテントット族がホットなのはなぜだ? 勇気! 猿人をえんじ色に染めたのはなんだ? 彼らにあって俺にないものはなんだ? 勇気!

一部、シャレがあったので、超訳してしまいました。
(猿人をえんじ色に……)

冒頭のエルザのセリフの場合は、What makes it so nice is 〜 で「それをとても素晴らしいことたらしめているのは〜」ということで、「さらにめでたいことには〜」と訳しました。

make「〜に成る」の用法について

次に、もうひとつの、最後の行にある make について。

you’ll make a very fine nun
(あなたは良い尼さんになるでしょう)

make はこの用例のように「〜に成る」という意味でも使われます。

2つばかり他の映画からも用例をあげておきます。

映画『ティム・バートンのコープスブライド』より
He will make a fine husband.
(彼はきっと良い夫になるわよ)

映画『タクシー・ドライバー』より
I’m sure he’ll make a good president. I don’t know his policies, but I’m sure he’ll make a good one.
(彼はきっといい大統領になると思うよ。彼の政策とかは知らないけど、でも彼ならきっとなれるさ

(下の動画の0:33からの部分)

まとめ

この短いシーンの中に英会話に取り入れたら表現の幅が膨らみそうなボキャブラリーがいくつも出てきて、さらにそこに make の「作る」以外の用例が2つもあるんですね。

50年以上前の映画なのに、『サウンド・オブ・ミュージック』がいまだにあちこちで英語の勉強に推奨されるのがわかるような気がします。

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