Love Is an Open Door(とびら開けて)の歌詞(和訳あり)で英語の勉強【アナと雪の女王】

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本日はこちらのディズニー映画『アナと雪の女王(Frozen)』の超名曲『Love Is an Open Door(とびら開けて)』の歌詞で、英語を勉強をしてみたいと思います。

まずは歌詞と私の和訳を掲載します。

Love Is an Open Door
とびら開けて

ANNA : Okay, can I just, say something crazy?
HANS : I love crazy!

アナ「ねえ、おかしなこと言っちゃっていい?」
ハンス「オカシイの大好き!」

ANNA : All my life has been a series of doors in my face
And then suddenly I bump into you

HANS : I was thinking the same thing! ‘Cause like
I’ve been searching my whole life to find my own place
And maybe it’s the party talking or the chocolate fondue

アナ「わたしの人生、たくさんの扉とにらめっこしているみたいだった
そしたら、とつぜん扉が開いて、いきなりあなたがそこにいたの」
ハンス「僕も同じこと考えてた! だってなんだか
僕は今までの人生、自分の居場所をずっと探して気がする
これってパーティー気分、それともチョコレートフォンデュのせい?」

ANNA : But with you…
HANS : But with you
I found my place…
ANNA : I see your face…

アナ「でもあなたと」
ハンス「でもきみと出会って
自分の居場所を見つけられた」
アナ「あなたを見ていると……」

ANNA & HANS : And it’s nothing like I’ve ever known before!
Love is an open door!
Love is an open door!
Love is an open door!

アナ&ハンス「今までと何もかもが別世界!
愛は開かれた扉だね!
愛は開かれた扉だね!
愛は開かれた扉だね!」

ANNA : With you!
HANS : With you!
ANNA : With you!
HANS : With you!
ANNA & HANS : Love is an open door…

アナ「あなたと!」
ハンス「きみと!」
アナ「あなたと!」
ハンス「きみと!」
アナ&ハンス「愛は開かれた扉だね…」

HANS : I mean it’s crazy…
ANNA : What?
HANS : We finish each other’s-
ANNA : Sandwiches!
HANS : That’s what I was gonna say!

ハンス「なんだかおかしいね」
アナ「なにが?」
ハンス「僕たち、ふたりしてお互いの……」
アナ「サンドイッチ食べてる!」
ハンス「僕も同じこと言うつもりだった!」

ANNA : I’ve never met someone-
ANNA & HANS : Who thinks so much like me!
Jinx! Jinx again!

アナ「今まで出会ったことなかった」
アナ&ハンス「こんなに自分と気があう人!
ジンクス! またジンクス!」

ANNA & HANS : Our mental synchronization
Can have but one explanation

アナ&ハンス「わたしたちのこのシンクロ率の高さは
たったひとつの結論しかない」

HANS : You-
ANNA : And I-
HANS : Were-
ANNA : Just-
ANNA & HANS : Meant to be!

ハンス「きみと」
アナ「わたし」
ハンス「は」
アナ「まさに」
アナ&ハンス「運命だ!」

ANNA : Say goodbye…
HANS : Say goodbye…
ANNA & HANS : To the pain of the past
We don’t have to feel it anymore!

アナ「さようなら」
ハンス「さようなら」
アナ&ハンス「痛い過去よ
もう二度と感じることのない!」

ANNA & HANS : Love is an open door!
Love is an open door!
Life can be so much more!

アナ&ハンス「愛は開かれた扉だね!
愛は開かれた扉だね!
これからは人生、もりだくさん!」

ANNA : With you!
HANS : With you!
ANNA : With you!
HANS : With you!
ANNA & HANS : Love is an open door…

アナ「あなたと!」
ハンス「きみと!」
アナ「あなたと!」
ハンス「きみと!」
アナ&ハンス「愛は開かれた扉だね…」

HANS : Can I say something crazy?
Will you marry me?
ANNA : Can I say something even crazier? Yes!

ハンス「おかしなこと言っちゃっていい?
僕と結婚してください」
アナ「もっとオカシナこと言っちゃっていい?
はいっ!」




目次

Love Is an Open Door

まずはタイトルをみてみます。

邦題では『とびら開けて』ですが、正確に直訳すると「愛は開かれた扉」ですね。

辞書で調べると

open door = 出入り自由

みたいな意味にもなるようです。

よく聞く物言いで、

My door is always open.
(いつでも気軽にいらしてください)

なんて定番表現もありますよね。

つまりこのタイトルは、「愛は無限に可能性を広げてくれる扉」というような意味だと言えます。

今まで城に閉じこもって、あらゆる可能性から取り残されていたアナが、愛によってバーッと目の前に可能性が広がってきた、そんなイメージのタイトルだと思います。

この歌ではまだ錯覚なので、本当の意味で「愛が可能性を広げる」ことになるのは、ラストまでおあずけですが。

ちなみに、この『アナと雪の女王』では、全編を通して扉の開け閉めがモチーフになっていますよね。

「お城の門が開く」とか、この歌の歌詞にもドアの描写がありますし、エルザが氷の城に閉じこもるときにも扉をバーンと閉める描写があります。
クリストフがいったんアナを城に届けて山に帰るとき、ドアが閉ざされるシーンも印象的ですね。

この映画、最後のシーンまでずっと、開かれるべき扉が閉ざされ、閉ざされるべき扉が開かれている状態なんですね。

最後のシーンでやっと正しく扉が開く、その予感がこの曲「Love Is an Open Door」にこめられている気がします。

For the First Time in Forever(生まれてはじめて)」の記事でも同じような部分を指摘しましたが、この映画の前半でアナはいつも、間違ったほうを向いて正しいことを予感(予言)しているんですね。

a series of doors と bump into の解釈とは

この歌、しょっぱなからちょっと解釈するのが難しい2行にぶち当たりますよね。

All my life has been a series of doors in my face
And then suddenly I bump into you

a series of = 一連の
in my face = 直面する、目の前で
bump into = 突き当たる、ぶつかる、ばったり出会う

これを私なりに噛み砕いて直訳すると

「これまでのわたしの人生って、閉じた扉がザーッと並んでいるその前にずっといたようなものだった。そしたら、とつぜん扉が開いて、いきなりあなたがそこにいたの」

「閉じた」とか「扉が開いて」を意味する具体的な言葉はありませんが、文脈からこんな感じのことを言ってるんじゃないか、と思います。

a series of doors in my face(一連のドアに直面している)というのは、ずっと城でひとりぼっちで、いつも同じところをぐるぐるまわっているような、ちっとも先に進めないこれまでの状況のことを言っているんですね。

bump into you(あなたにバッタリ出くわす)は、それらのドアのひとつがやっと開いて、あなたがそこにいた、というイメージが私には浮かんできました。
閉じたドアにかわっていきなりあなたが目の前にあらわれた、という解釈でもいいですね。

the party talking or the chocolate fondue とは

この歌詞にはかなり凝ったおもしろい表現がたくさんありますが、そのひとつがこれ。

And maybe it’s the party talking or the chocolate fondue

まず the party talking とは何か?

調べてみたところ、the ◯◯ talking で、「◯◯影響下のおしゃべり」という意味になるようです。

とくに酔っ払っているとか、浮かれているとか、ラリってるとか、そういう状況で使われる表現なので、◯◯の部分には普通、お酒の名前が入ります。

例えばこんな感じ。

the wine talking = ワインで酔った勢いでのおしゃべり
the beer talking = ビールで酔った勢いでのおしゃべり

使い方としてはこんな感じになります。

Maybe it’s the wine talking = こんなことシラフじゃ言えないけど
It’s just the beer talking = 単なる酔っ払いのたわごとだよ

さてそれを踏まえて、この歌詞の該当の部分をもう一度見てみましょう。

maybe it’s the party talking or the chocolate fondue

ちなみに the chocolate fondue も the chocolate fondue talking の talking が省略されているんですよね。

つまりこの歌詞では、お酒の名前のかわりに party と chocolate fondue が入っているので、とてもおもしろい表現といえます。

訳すとしたら「僕ってパーティー気分で浮かれててこんなことまでしゃべっちゃって、それともさっき食べたチョコレートフォンデュのせいかな」みたいな感じですね。

We finish each other’s sandwiches

さらに凝った表現はつづきます。

HANS : We finish each other’s-
ANNA : Sandwiches!
HANS : That’s what I was gonna say!

ハンス「僕たち、ふたりしてお互いの……」
アナ「サンドイッチ食べてる!」
ハンス「僕も同じこと言うつもりだった!」

これはちょっとややこしいやりとりですので、詳しく説明します。
まず最初の2行ですが、ここは

finish one’s sentences
(人がしゃべっている文章を勝手に終わらせる)

という意地悪(あるいは先走り行為)があるんですね。

具体的には、「人の言っていることを途中で遮って、相手の言わんとしていることを間違って終わらせる迷惑行為」を指します。

間違って終わらせる」という点がポイントです。

例えばこんな感じです。
うまいこと他の映画に例がありました。

映画『僕らのミライへ逆回転』より
FLETCHER : Here’s something really important. You must never…
MIKE : Slam the door, because the building will collapse.
FLETCHER : No, Mike. I mean, yes, but that’s not what I wanted to say. You must never…
MIKE : Use the VCR to rewind the tapes…
FLETCHER : No. Why do you always have to finish my sentences?

フレッチャー「これはとても大事なことだ。絶対に……」
マイク「ドアをバタンと閉めるな、ビルが崩れるから、ですね」
フレッチャー「違う、マイク。いや、それもそうなんだが、俺が言いたいことはそういうことじゃない。絶対に……」
マイク「ビデオデッキでテープを巻き戻すな、ですね」
フレッチャー「違う。なんでお前はいつも俺の言葉を勝手に終わらせるんだよ?」

上の例は「先走り行為」ですが、意地悪で使われるケースのほうが多い気がしますね。
例えば日本でもよくあるこんな感じで。

太郎「今朝、目が覚めたらさ……」
花子「おねしょしてた?」
太郎「違うよ! 頭痛がしたんだよ。それで……」
花子「そんなショボい顔なんだ?」
太郎「この顔は生まれつきだよ! ウルセーよ!!」

まあ、こうやって相手に最後まで言わせないようにして、からかうわけですね。

しかし、これが相手の言葉を正しく終わらせる場合は

finish each other’s sentences

という熟語になり、逆に「気が合う証拠」みたいな表現になるんですね。

この歌の後のほうに出てくるアナとハンスのやりとりみたいなのがいい例でしょうか。

HANS : You-
ANNA : And I-
HANS : Were-
ANNA : Just-
ANNA & HANS : Meant to be!

ハンス「きみと」
アナ「わたし」
ハンス「は」
アナ「まさに」
アナ&ハンス「運命だ!」

で、この歌の歌詞では、この sentences の部分を、冗談で sandwiches に変えているんですね。

調べてみたところ、この sentences を sandwiches に変えて言うのは、ローカルではずっと前から言われていたそうです。

この言い回しがメディアに現れた最初の有名な用例が、2003〜2006年に放送されていたアメリカのTVドラマ『アレステッド・ディベロプメント(Arrested Development)』の以下の会話だそうです。

Michael: It’s like we finish each other’s
Lindsay: Sandwiches?
Michael: Sentences. Why would I say…
Lindsay: Sandwiches?

マイケル「なんだか俺たち、お互いの……」
リンジー「サンドイッチ食べてるみたい?」
マイケル「言葉の話だよ。なんでまた……」
リンジー「サンドイッチ?」

私は『アレステッド・ディベロプメント』を見たことがないのでわかりませんが、見たところ、これはマイケルという人が「僕たちって気が合うね」という意味のことを言おうとしたら、リンジーが「いいえ、ぜんぜん気が合いませんよ」と暗に拒絶している会話のようですね。

つまり、相手が finish each other’s sentences と言おうとしているところへ、すかさず finish one’s sentences を実行してしまうことで、相手の言わんとしていることを否定する、あるいはからかう行為、と言えます。

ちなみに finish sentences は「言葉を言い終わる」という意味ですが、finish sandwiches だと「サンドイッチを食べ終わる(平らげる)」という意味になります。

さて、これらの背景を踏まえておかないと、この『Love Is an Open Door』の歌詞のおもしろさはわかりません。

つまりハンスが「We finish each other’s …(僕たち、ふたりでひとつの……)」と言いかけたとき、アナは「Sandwiches!(サンドイッチ食べてる!)」と横から割り込んでハンスの言葉を勝手に終わらせるんですね。
つまりアナは冗談で finish one’s sentences をやって、ハンスをからかおうとするわけです。

ところがそれに対してハンスは「That’s what I was gonna say!(僕も同じこと言うつもりだった!)」と喜んで答える。

普通なら相手を茶化す行為である sentences → sandwiches への改変にもかかわらず、ハンスも同じことを言おうとしていた、つまり finish each other’s sentences が成立してしまった、というユーモアなんですね。

まあ、ハンスは調子を合わせてるだけかもしれませんけど。

ちなみに私はこの部分を最初に聴いたとき、アナはハンスの言おうとしていることを以心伝心で察知して、「Sandwiches!」と言ったのだと思いましたが、その解釈もアリだと思います。

どちらにしろ、それだけこの2人は気が合っている、という表現になりますね。

Jinx! Jinx again!

jinx は和製英語の「ジンクス」の元になった単語ですね。

日本語では「縁起の良いものごと」または「縁起の悪いものごと」を指しますが、英語では悪いことだけに使われるそうです。

jinx = 不運をもたらすモノ、不吉なこと

で、この『Love Is an Open Door』の歌詞の場合ですが、2人の人が同じことを同時に言ってしまったときに、先に「Jinx!」と叫んだ方が勝ち、というゲームがあるそうなんですね。

これは2人の人が同じことを同時に言うのは不吉なこととされていて、その不運を片方だけに押し付ける、という意味があるようです。

そして「Jinx!」を同時に言ってしまった場合、さらに「Jinx again!」を繰り返す、というルールがあるわけですね。

ちなみに日本にも同じようなゲームで、2人の人が同時に同じことを言ってしまったときに、「ハッピーアイスクリーム!」と先に叫んだ方が勝ち、というのがありますよね。

個人的に私の子どもの頃の地元(埼玉)には「ハッピーアイスクリーム」という遊びはなかったので、二十代になってから筋肉少女帯の『ハッピーアイスクリーム(大槻ケンヂさん作詞)』という曲で初めて知りました。
ちなみに私の妻(東京出身)の子どもの頃にはあったそうです。

but の特殊な用法、ふたたび

次はこちらの表現。

Our mental synchronization
Can have but one explanation

わたしたちのこのシンクロ率の高さは
たったひとつの結論しかない

mental = 心の、精神的な
synchronization = 同時性

Our mental synchronization(わたしたちの精神的同時性)は、まともに訳すとちょっとカタすぎるので、ちょっとカジュアルに「わたしたちのシンクロ率の高さは」と訳してみました。

英語の勉強ポイントは2行目の but の用法。

ここの but は「〜以外の何ものでもない」という意味で、 just とか only と同じようなニュアンスで使われているんですね。

この but の用法については以前「butとas soonのちょっと特殊な使い方について」という記事で詳しく解説しましたので、そちらの記事を参照してください。

meant to be について

最後はこちらの1行。
本日とりあげた項目ではとりわけ英会話に使えるボキャブラリーです。

You and I were just meant to be!
あなたとわたしはまさに運命だ

mean = 意味する

この mean という動詞が過去分詞 meant になることで、「意味付けられる」のような解釈になり、「定められた」「運命づけられた」というニュアンスになるんですね。

他の映画からも用例を上げておきます。
こんな感じで使える言葉です。

映画『チップス先生さようなら(1939)』より
It’s meant to keep biscuits in.
(これはビスケットを入れるためのものです)

映画『麗しのサブリナ』より
My father was meant to pick me up.
(お父さんが迎えにきてくれることになってたの)

映画『サボテン・ブラザース』より
We were meant to wander.
(俺たちはさすらう運命だったのさ)

あとがき – My Personal Ranking

この「Love Is an Open Door(とびら開けて)」は、なにげにディズニー映画『アナと雪の女王』のなかで私が一番好きな曲です。

この歌詞の解釈は以前「Frozen Heartの歌詞で英語の勉強」の記事でちらっと触れました。

裏の意味はともかく、表面的にはとにかくアナとハンスのはしゃぎっぷりが楽しい曲ですね。

「恋は盲目」と言いますけれど、盲目が故に楽しく儚いもの、という気がします。
それでいきなり結婚、ということになってしまうと、話は違ってきますが。

さて、最後に余興として、全45ヶ国語で歌われた「Love Is an Open Door」をYouTubeですべてフルで聴いてみて、私がいいと思ったバージョンをランキングでご紹介します。

ぜひ聴いてみてください。
(クリックすると別窓でYouTubeにとびます)

1位 英語
2位 フィンランド語
3位 スペイン語
4位 スロベニア語
5位 エストニア語
6位 アラビア語
7位 カナダフランス語

この曲、聴きはじめは「おっ、いいな」と思うんですが、後半になるとぜんぜんおもしろくなくなっちゃう、というのがもう半分以上というか、ほとんどだったので、きっとこの曲に何か、歌い手を失速させる要素があるんでしょう。

その点、このランキングの上位4ヶ国に選んだスロベニア語、フィンランド語、スペイン語、英語は、どれも最後の最後までググッと聴かせる素晴らしい歌唱ばかりです。
ほとんど同率一位といってもいい素晴らしさです。
(私はクリスティン・ベルが好きなので、英語はちょっと贔屓目はいってるかもしれません)

5位以降は後半やっぱり失速してますが、個人的にエストニア語は独特のフィーリングが気に入って5位、アラビア語は言語の響きがすごくおもしろかったので6位、カナダフランス語はフランス語の歌詞がとてもよかったので7位に入れました。

みなさんはどの言語バージョンがよかったでしょうか?