「偏愛する」「伝える」「耽る」「こっそり抜け出す」を英語で?【バリー・リンドン】

ひさしぶりにキューブリックの映画『バリー・リンドン』で英語の勉強をしてみたいと思います。

本日ピックアップしたのは、映画の後半、バリーの息子、ブライアンについてのナレーションとセリフ。

「偏愛する」「伝える」「耽る」「こっそり抜け出す」などのボキャブラリーを解説しています。




英文の引用と和訳:バリーのブライアンに対する偏愛ぶりについてのナレーション

まずはバリーが息子のブライアンを目に入れても痛くないほど可愛がっている様子を語ったナレーション部分。

映画が始まって2時間20分くらいのところです

He loved his son with a blind partiality. He denied him nothing. It is impossible to convey what high hopes he had for the boy and how he indulged in a thousand fond anticipations as to his future success and figure in the world. But fate had determined that he should leave none of his race behind him that he should finish his life poor, lonely and childless.
(彼は息子を盲目的に偏愛した。言うことは何でも聞いてあげた。彼が息子にどれほど高い希望を抱いていたか、そして彼がどれほど息子の輝かしい未来の成功と、立派な雄姿を無我夢中に期待していたか、言葉で伝えるのは不可能だろう。しかし運命は彼に、子孫を残すことなく、貧しく寂しい余生を過ごすことを余儀なく定めていたのであった)

「偏愛する」を英語で?

He loved his son with a blind partiality.
(彼は息子を盲目的に偏愛した)

ここに出てくる partiality という単語に注目です。

partiality = えこひいき、偏愛(すること)

これは part(部分)という単語に「状態」「性質」などを表す接辞 -ality がついた言葉です。

「part(部分)である」ということは、「全体」ではない、つまり「かたよっている」ということ。

そこで「えこひいき」や「偏愛」などの意味になるわけです。

似たような言葉でこんな熟語もあります。

partial to 〜 = 〜が大好きだ、〜をひいきする

映画『ヘイトフル・エイト』より
Warren : May I come aboard?
O.B. : Well smoke… it up to me, yes. But it ain’t up to me.
Warren : Who’s it up to?
O.B. : Fella in the wagon.
Warren : Fella’ in the wagon not partial to company?
O.B. : Fella’ in the wagon he paid for a private trip.

ウォーレン「乗せてくれんか?」
O.B.「そうだな・・・俺に権限があればどうぞと言えるんだがな。残念ながら」
ウォーレン「誰に権限があるんだ?」
O.B.「馬車の中の旦那だ」
ウォーレン「馬車の中の旦那は同乗者を好ましく思わないってか?」
O.B.「馬車の中の旦那は貸し切り料金を支払ってるもんでね」

「伝える」を英語で?

It is impossible to convey what high hopes he had for the boy …
(彼が息子にどれほど高い希望を抱いていたか、言葉で伝えるのは不可能だ)

ここに出てくる convey という単語。

convey = 運ぶ、運搬する、伝える、譲渡する

類義語に日本語でいう「ベルトコンベア(belt conveyor)」の「コンベア(conveyor)」がありますね。

それからも分かる通り、基本的には「運ぶ」を意味する動詞です。

しかしこの単語「(言葉を)運ぶ」というニュアンスで、何か言いたいことを誰かに「伝える」という使い方も非常によく見ます。

ちょっとドラマチックな場面やフォーマルな状況でよく使われるので、リスニング用に覚えておくといいと思います。

「耽る」を英語で?

How he indulged in a thousand fond anticipations as to his future success and figure in the world.
(彼がどれほど息子の輝かしい未来の成功と、立派な雄姿を無我夢中に期待していたか)

indulge は「甘やかす」という意味の動詞ですが、これに in をつけるとこんな意味の熟語になるんですね。

indulge in = ふける、ひたる、おぼれる、むさぼる

「定める」を英語で?

But fate had determined that he should leave none of his race behind him that he should finish his life poor, lonely and childless.
(しかし運命は彼に、子孫を残すことなく、貧しく寂しい余生を過ごすことを余儀なく定めていたのであった)

determine = 見極める、解明する、決定する、定める

以前、別の記事で解説しましたが、determine は人間以外のモノが主語になると、「〜を定める」という意味になります。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

有名なネズミの例えバナシの出だしから、日本人にはわかりにくい英単語 feature、attribute、determineなどを解説。キューブリックに感謝!

英文の引用と和訳:ブライアンがこっそり抜け出したことを報告するラント牧師のセリフ

次に引用するのはラント牧師がバリーに、ブライアンが明け方こっそり部屋から抜け出したらしいことを報告するシーン。

映画が始まって2時間25分くらいのところです

I’m sorry to trouble you, Mr. Lyndon, but I believe Master Bryan may have disobeyed your orders and stolen away to Doolan’s farm. On going to his room this morning, I found his bed empty. One of the cooks saw him cross the yard at daybreak.
(申し訳ありません、リンドン様。ブライアン様があなたのご命令に背き、ドゥーラン牧場へこっそり抜け出していったものと思われます。今朝、彼の部屋に行ったところ、ベッドが空でした。コックの一人が明け方、彼が庭を横切って行くのをみたそうです)

「お邪魔する」を英語で?

英会話に使えそうなこちらの単語。

I’m sorry to trouble you.
(申し訳ありません)

この形で、同じような意味で、こんな言葉もありますね。

I’m sorry to bother you.
(お忙しいところすみません)

ついでにこんな言い方もあります。

I’m sorry to impose on you.
(無理を言って申し訳ありません)

英会話に使えるので、まとめて覚えてしまいましょう。

「こっそり抜け出す」を英語で?

I believe Master Bryan may have disobeyed your orders and stolen away to Doolan’s farm.
(ブライアン様があなたのご命令に背き、ドゥーラン牧場へこっそり抜け出していったものと思われます)

この一節で目に止まったのがこの表現。

steal away = こっそり抜け出す、こっそり離れる、忍び去る

steal(盗む)が入っているので、何かを盗んで逃げ去るという意味かと勘違いしそうですが、steal に関しては比喩的な用法のようです。
日本語でも「盗み見」とか「盗み聞き」とか「盗み足」とか、「盗む」が入った熟語がありますよね。
どれも「こっそり」「密かに」というニュアンスの言葉なので、理解しやすい熟語だと思います。

バリーとブライアン『バリー・リンドン』

バリーとブライアン(出典:imdb

あとがき

本日はキューブリックの『バリー・リンドン』のナレーションとセリフから、「偏愛する」「伝える」「耽る」「定める」「お邪魔する」「こっそり抜け出す」などの英語のボキャブラリーを解説しました。
勉強になっていただけたら幸いです。

ところで、まもなく2019年も終わりですね。
このブログも、本日の記事が今年最後になります。

皆様はどんな1年をすごしたのでしょうか?
私は新しく映画のブログを立ち上げたり、何かと新しいことにチャレンジした年でした。
人間いくつになっても、攻めの姿勢は忘れないで生きてゆきたいものです。

それでは皆様、よいお年を!