「不機嫌」を英語で?【バリー・リンドン】

本日はキューブリックの映画『バリー・リンドン』から、こちらのシーンをピックアップしてみました。
短い会話ながら英語の勉強になりそうなボキャブラリーが集中しています。

引用したのは上の動画では 3:10 からの部分。
映画本編では始まって1時間46分11秒あたりのところです。

REV. RUNT : My Lord Bullingdon, you seem particularly glum today? You should be happy that your mother has remarried.
LORD BULLINGDON : Not in this way. And not in such haste. And certainly not to this man.
REV. RUNT : I think you judge your mother too harshly. Do you not like your new father?
LORD BULLINGDON : Not very much. He seems to me little more than a common opportunist. I don’t think he loves my mother at all. And it hurts me very much to see her make such a fool of herself.

ラント牧師「ブリンドン様、今日はいつになく浮かないご様子ですね? お母様が再婚されて嬉しくないのですか」
ブリンドン子爵「こんなザマで、こんな早々と、しかもあんな男が相手じゃね」
ラント牧師「これはお母様に厳しいことを。新しいお父様は好きになれませんか?」
ブリンドン子爵「なれないね。あの男は所詮、ケチな日和見人間に過ぎないよ。母をこれっぽっちも愛してなんかいやしない。そんな奴のダシにされてる母を見てると心が痛む」




glum

本日、勉強のきっかけとしてメインにピックアップした単語はこちら。

glum = 不機嫌な、むっつりした、ふさぎこんだ、浮かない顔した

My Lord Bullingdon, you seem particularly glum today?
(ブリンドン様、今日はいつになく浮かないご様子ですね?)

「不機嫌」を表す英語表現としてはそれほど頻繁に使われる方ではありませんが、それでもたまに映画で耳にしますね。

他の映画からも用例をひとつ。

映画『巴里のアメリカ人』より
ADAM : Why so glum?
JERRY : Woman trouble.
ADAM : Proves you’re a man.

アダム「不機嫌そうだな?」
ジェリー「女と揉めててね」
アダム「お前も男だってことだ」

この glum と似たような単語で、とてもよく使われる以下の単語がありますね。

gloom = 暗がり、陰気、憂鬱
gloomy = 暗い、陰気な、憂鬱な

言うまでもなく、この gloom(形容詞にすると gloomy)は、glum と同じ語源です。

あまり使われない単語も、上のようなよく使われる同根の言葉とセットで覚えてしまえばちょっと楽に覚えられますよね。

その他の「不機嫌」を意味する英語表現

「不機嫌」を意味する英語表現として最もカジュアルによく使われるのはこれでしょう。

in a bad mood = 機嫌が悪い、不機嫌で

映画『マリー・アントワネット』より
Léonard must’ve been in a bad mood because he was pulling my hair so hard. And I want to tell him, you know, it’s not my fault if he’s had a bad morning. Don’t take it out on my scalp.
(レオナール、きっと機嫌が悪かったんだわ、わたしの髪の毛を強く引っ張ったりして。もう、言ってやろうかしら、ねえ、あなたの寝覚めが悪かったの、わたしのせいじゃないでしょ、わたしの頭皮に八つ当たりしないで、って)

もうひとつ、不機嫌を意味するひとつの単語として、glum とほぼ同じ意味の sullen という言葉がありますが、映画で使われているのを私はほとんど見たことないですね。

sullen = むっつりした、不機嫌な、陰気な

glum statue

その他の注目ボキャブラリー

harshly = 厳しく、無情に

little more than = 〜に過ぎない、〜に毛が生えたようなもの
「〜とほとんど同様に少ない(短い、小さい)もの」というニュアンスの表現。

common = 共通の、公共の、一般の、普通の
文脈によって「通俗な」「安っぽい」「下品な」などの意味にもなるようです。貴族であるブリンドン子爵の目には、レドモンドはそんな人間に映っている、ということでしょう。

opportunist = ご都合主義者、日和見主義者
今回引用した映画のシーンでは、レドモンドがブリンドンの母をたいして愛してもいないのに、財産と地位が目当て結婚した、ということを指してこの言葉を使っていますね。
ちょっと語感が似ているので、optimist(楽天主義者、楽天家)と混同しないように気をつけましょう。

make a fool of oneself = バカな真似をして笑いものになる、バカをみる、恥をさらしている
make a fool of で「バカにする」「笑い者にする」という意味ですので、make a fool of oneself を文字通りには「自分自身をバカにする」という言葉ですね。

あとがき

本日はキューブリックの映画『バリー・リンドン』のラント牧師とブリンドンとの会話から、glum不機嫌な)という単語を中心に、英語の勉強をしてみました。

引用したこのシーン、ラント牧師は立場上、レドモンドと夫人の結婚をサポートしているふりをしてますが、明らかに内心では今回の結婚のことを苦々しく思っているのが伝わってきます。

同じ想いを共にするブリンドンから共感できる言葉を引き出そうと、わざとカマをかけるように話しかけているのがわかりますね。