相変わらず英語のお笑いが好きでよく見ていますが、英語のコントにはわりと「相手がなに言ってるかわからなくて戸惑う」または「相手が何やってるかわからなくて戸惑う」ネタのお笑いが多いことに気がつきました。
そういえば私が子どもの頃に見たアメリカのドッキリにも、「なにしゃべっているのかわからないオジサン」てのが出てましたし、あちらでは定番ネタなのかもしれません。
この手のコントはもう流れがわかりきっているので、英語が理解しやすく、リスニングの練習に好都合です。
ということで本日は、「相手がなに言ってるかわからなくて戸惑う」または「相手が何やってるかわからなくて戸惑う」ネタの英語のコントをいくつかご紹介したいと思います。
クリス・カッテンのスエル・フォレスター シリーズ
「相手がなに言ってるかわからなくて戸惑う」ネタのコントと言えば、まず最初に思い出されるのが90年代後半から『サタデー・ナイト・ライブ(以下SNL)』のレギュラーだったクリス・カッテン(Chris Kattan)がスエル・フォレスターというキャラを演じるシリーズ。
代理教師スエル(Substitute Teacher Suel)
学校に代行教師がやってきますが、なにを言ってるのかわからないので、生徒たちが戸惑う、というコント。
勘のいいひとりの女生徒だけが先生の言うことをわかって、ひとりだけ抜け駆けしていい成績をとろうとしているところもさりげなくおかしいです。
[注目の単語]
articulate = はっきりと発音する、歯切れよくしゃべる
南部の弁護士スエル・フォレスター(Suel Forrester Southern Lawyer)
先のコントで教師をやったスエル・フォレスターが今度は弁護士で登場。
ジョン・グッドマン演ずる証人の戸惑いっぷりと、自信たっぷりに話し続ける弁護士フォレスターのやりとりがいいです。
[注目のセリフ]
overruled … I think.
(異議申立を却下する・・・なんとなく)
このコントの書き起こしはこちら。
鬼軍曹スエル(Drill Sergeant Suel)
スエル・フォレスターのコントをもうひとつだけ。今度は海兵隊の鬼教官の巻。
なんと言ってるのかわからないながらも、とりあえず「Sir, yes, sir!」と返事したり勘を働かせて動いてみたりする訓練生たちの必死ぶりが笑えます。
[注目のセリフ]
I think he wants to know if you like Gordon Lightfoot.
(教官はきみにゴードン・ライトフットは好きか、って聞いてるんじゃないかな)
日本のゲーム番組(Japanese Game Show)
今度は『オースティン・パワーズ』シリーズのマイク・マイヤーズが日本人の司会者を演じるコント。
日本に旅行にきたアメリカ人が、ホテルのコンシェルジュに「Do you want to go a game show?(ゲーム番組に参加してみませんか?)」と案内されてきてみたら、観客じゃなくて出演者だったので、まわりに誰も英語がしゃべれる人がいなくてあたふた、という内容。
[注目のセリフ]
MARY, CALL THE AMERICAN EMBASSY!!
(メアリー、アメリカ大使館に通報してくれ!)
このコントの書き起こしはこちら。
振付師フォッシー(Fosse Choreographer)
女優のクリスティナ・アップルゲートがダンスの先生を演じるコント。
普通のダンス教室のように掛け声が「ワン・ツー・スリー」じゃなくて「カドーン!」とか「ザザー!」など奇妙なスキャットで指導するものだから、生徒たちがどう踊っていいのか戸惑うという内容。
クリスティナ・アップルゲートは90年代『Married with Children』などのシットコム(シチュエーション・コメディ)で人気のあったセクシー・コメディ女優で、お笑いの演技力はプロの芸人顔負けの達者ぶり。
今日このページで紹介したなかでは私はこのコントが一番爆笑しました。
[注目のセリフ]
I would say it was hard on me, but no really, it just laid there like a steamed carrot.
(確かに辛いことではあったわ。でもまあ、蒸しニンジンのようにそこにあったのね)
代理教師(Substitute Teacher)
最後はSNLではなく、コメディ・セントラルから、Key & Peele(キーとピール)という2人組のコメディアンのコント。また代理教師ネタです。
こちらはしゃべり方はまともですが、生徒の名前を正しく発音しないので、生徒が戸惑う、という内容。
[注目の熟語・単語]
mess with 〜 = 〜に楯突く
insubordinate = 反抗的な
churlish = 育ちが悪い態度、がさつ
YouTubeで Substitute Teacher(代理教師)で検索すると他にもたくさん英語のコントが出てきます。
お笑いに学校ネタが多いのは日本も英語圏も変わらないのですね。
おわりに
これからもたまに、こんな風にテーマを決めて、笑いながらリスニングの上達ができる、英語のお笑いをたまに紹介していこうと思います。