楽しいパーティーはまだ続きます。
しかし、子供たちは寝る時間がきてしまい、
子供部屋(nursery)へと退場してゆく。
本日はそのときに子供たちが歌うミュージカル
『So Long, Farewell(さようなら、ごきげんよう)』から
英語のボキャブラリーをピックアップしてみました。
『さようなら、ごきげんよう(So Long, Farewell)』の歌詞と和訳
So Long, Farewell
さようなら、ごきげんようThere´s a sad sort of clanging
From the clock in the hall
And the bells in the steeple tooチャイムの音がもの悲しげに
ホールの時計から響いてくる
あと、教会の尖塔の鐘からもAnd up in the nursery an absurd little bird
Is popping out to say “cuckoo”そして上では子供部屋のへんちくりんな小鳥さんが
飛び出しては「カッコー」と鳴いているCuckoo, cuckoo
カッコー、カッコー
Regretfully they tell us
But firmly they compel us
To say goodbye
To you残念そうに鳴いています
でも強制的に言い聞かせています
皆さんに「おやすみなさい」
しなさいってSo long, farewell, auf Wiedersehen, good night
I hate to go and leave this pretty sightじゃあまたね、ごきげんよう、アウフ・ヴィーダーゼーエン、おやすみなさい
イヤだけど、この麗しの場を去ってゆきますSo long, farewell, auf Wiedersehen, adieu
Adieu, adieu, to you and you and youじゃあまたね、ごきげんよう、アウフ・ヴィーダーゼーエン、サヨウナラ
サヨウナラ、サヨウナラ、あなたにも、あなたにも、あなたにもSo long, farewell, au revoir, auf wiedersehen
I´d like to stay and taste my first champagneじゃあまたね、ごきげんよう、オルヴォワー、アウフ・ヴィーダーゼーエン
わたしは残って、初めてのシャンペンを味わってみたいところですけどSo long, farewell, auf Wiedersehen, goodbye
I leave and heave a sigh and say goodbye
Goodbye!じゃあまたね、ごきげんよう、アウフ・ヴィーダーゼーエン、さようなら
もう行きます、ため息がでちゃうけど、さようなら
さようなら〜I´m glad to go
I cannot tell a lie
I flit, I float
I fleetly flee, I flyわたしは喜んで失礼します
嘘じゃありませんよ
すいすい、ふわふわ
さっさと飛んで、消えうせますThe sun has gone to bed and so must I
So long, farewell, auf Wiedersehen, goodbye
Goodbye, goodbye, goodbye太陽はもう寝ちゃったから、わたしも寝なくちゃ
じゃあまたね、ごきげんよう、アウフ・ヴィーダーゼーエン、さようなら
さようなら、さようなら、さようならGoodbye!
さようなら!
heave a sigh の heave について
まずクルトが歌うパート。
So long, farewell Auf Wiedersehen, goodbye
I leave and heave a sigh and say goodbye
Goodbye.じゃあまたね、ごきげんよう、アウフ・ヴィーダーゼーエン、さようなら
もう行きます、ため息がでちゃうけど、さようなら
さようなら〜
ここの heave a sigh という表現。
「ため息をつく」という熟語としてひとかたまりで覚えればそれでいいんですが、しかし heave ってなんだろう? と思いますよね。
文脈からいって「吐き出す」みたいな意味の動詞かと思ったら、これが
heave = 持ち上げる
なんですね。
heaven(天国)と綴りが似ていると思ったら、やっぱり同じ語源のようです。
天国って上にありますもんね。
ため息は「つく」ものだと思っている日本人には覚えにくい表現だと思いますが、日本語でも「吐く」ことを「もどす」とも言いますよね。
からだの中心にあるものが、上へもどってきて、口から出る、というイメージで考えると、しっくりくるものがあります。
ちなみに heave はため息の動詞以外にどんな使い方があるのかと思って探してみたら、これらの用例がありました。
映画『キング・オブ・コメディ』より
I managed to heave all over his new shoes!
(僕は思わず彼の新品の靴の上に吐いちゃったんだよ!)
(下の動画の3:26の部分)
上は普通に「吐く」意味で使ってますね。
映画『プライベート・ライアン』より
Fuse arming wire, set back, heave it!
(信管を飛ばして、遅発にして、ほうり投げろ!)
上は「ほうり投げる」の意味で使ってます。
ちなみに、上の例はちょっと説明が必要なセリフですが、迫撃砲用の砲弾を信管を叩いて遅発状態にして、手榴弾みたいに手で投げろ、と指示しているシーンです。
以上、heave は「持ち上げる」「吐く」「ほうり投げる」この3つを覚えておけばだいたい充分でしょう。
似たような言葉 flit, float, fleetly, flee, fly
次はブリギッタとルイーザのパート。
I’m glad to go
I cannot tell a lie
I flit, I float
I fleetly flee, I flyわたしは喜んで失礼します
嘘じゃありませんよ
すいすい、ふわふわ
さっさと飛んで、消えうせます
みんなパーティーを去るのが残念そうなのに、ひとりだけ「I’m glad to go(わたしは喜んで失礼します)」と、いい子ぶっているブリギッタの歌詞がおもしろいですね。
この曲は最後のほうでもう一度、歌うんですが、そのときはこの
I flit, I float. I fleetly flee, I fly
の部分が、
We flit, we float. We fleetly flee, we fly
になるんですね。
最初のほうのマリアのセリフ
The Untersberg kept leading me higher and higher like it wanted me to go through the clouds.
(ウンタースベルク山脈は、雲に届けと言わんばかりに、もっと高く高くへとわたしを誘ってくるの)」
とか、後に修道院長が歌う『Climb every mountain(すべての山に登って)』の歌詞と並んで、ラストへの伏線になっている重要な1行といえますね。
この1行にある
flit = スイスイ飛ぶ
float = 浮かぶ
fleetly = 素早く
flee = 急いで逃げる
fly = 飛ぶ
は、すべて同系統の言葉のようです。
こういう似たような言葉は覚えにくいので、歌の歌詞と一緒に暗記してしまえば楽ですね。
fleetly の -ly をとって fleet にすると、形容詞では「素早い」、動詞としては「素早く動く」ですが、これが名詞になると「艦隊」という意味になるんですね。
ここからも float(浮かぶ)との関連が垣間見える気がします。
「艦隊」の用例としては、映画『スター・ウォーズ ジェダイの帰還』にたくさんこの言葉が出てきます。
下のセリフはそのうちのひとつ。
Move the fleet away from the Death Star!
(艦隊をデス・スターから遠ざけろ!)
(下の動画の7:39の部分)
must がなくても so must I
最後に末っ子のグレーテルのパート。
The sun has gone to bed
And so must I
(太陽はもう寝ちゃったから、わたしも寝なくちゃ)
so must I は「わたしもそうするべきだ」という意味で、いわゆる
me, too(私も)
と同じことですが、私は今までこういう場合、動詞は同じものを使わないとダメかと思ってました。
例えば
You must go to bed, and so must I.
または
You have to go to bed, and so do I.
みたいな感じで。
文法的にはどうか知りませんが、少なくとも会話でこういうのはアリなんですねえ。
他の映画を探していたら、他にもありました。
映画『レ・ミゼラブル(2012)』より
He will pay, and so must I.
(彼は報いを受ける。そして私もだ)
映画『情熱の航路』より
The whole hotel has gone to bed. So must I. It’s late
(ホテルはすっかり寝静まっている。わたしも寝ないと。もう遅いし)
まとめ
『So Long, Farewell(さようなら、ごきげんよう)』はシンプルな子供の歌う曲ですが、けっこう学ぶところの多い歌詞でしたね。
それでは皆さま、So long, Farewell!