【サウンド・オブ・ミュージック】の『Maria』の歌詞(和訳)で英語の勉強

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前回ちょっと触れた映画『サウンド・オブ・ミュージック』の『Maria(マリア)』という曲。

この物語の主人公マリアを修道院の尼さんたちが描写する歌、ということで、いろんな言葉が出てきますね。

この映画のなかでも、たくさんのボキャブラリーが学べる一曲です。

遅ればせながら、この曲の歌詞をすべて和訳してみました。




目次

『Maria(マリア)』の歌詞の全和訳

Maria
マリア

She climbs a tree and scrapes her knee
Her dress has got a tear
She waltzes on her way to Mass
And whistles on the stair

あの子は木登りして膝を擦りむくわ
洋服を破るわ
ワルツを踊りながらミサに向かうわ
その上、階段で口笛を吹くわ

And underneath her wimple
She has curlers in her hair
I even heard her singing in the abbey

しかもベールに隠れた髪の毛には
カールまでかかってるんですよ
修道院内で歌まで歌っていました

She’s always late for chapel
But her penitence is real
She’s always late for everything
Except for every meal

いつも礼拝には遅れるし
でも懺悔の気持ちに偽りはありませんわ
あの子は何にでも遅れるんです
食事だけは別ですけどね

I hate to have to say it
But I very firmly feel
Maria’s not an asset to the abbey

これは言いたくないんですけど
でも、どうしても思うに
マリアは修道院に向きません

I’d like to say a word in her behalf
Maria makes me laugh

あの子のためにひと言いわせてください
マリアはいつもわたしを笑わせてくれます

How do you solve a problem like Maria?
How do you catch a cloud and pin it down?
How do you find a word that means Maria?
A flibbertigibbet! A will-o’-the wisp! A clown!

マリアのような問題児はどうしたらいいのかしら?
雲をつかまえてとどめておくなんてできるのかしら?
マリアって本当に、どういう子なのかしら?
チャランポラン、あまのじゃく、お調子者

Many a thing you know you’d like to tell her
Many a thing she ought to understand

あの子に言い聞かせたいことがたくさんあるわ
あの子にわかってほしいことがたくさんあるわ

But how do you make her stay
And listen to all you say
How do you keep a wave upon the sand

でも、どうやってあの子をおとなしく座らせて
言って聞かせられるっていうんですか
砂浜に打ち寄せた波をそこに止めておくことができますか

Oh, how do you solve a problem like Maria?
How do you hold a moonbeam in your hand?

ああ、マリアのような問題児はどうしたらいいのかしら?
月の光を手にとることなんてできるのかしら?

When I’m with her I’m confused
Out of focus and bemused

And I never know exactly where I am

あの子と一緒にいると混乱してきて
クラクラしてきて、わけがわからなくなってきて
挙句もう自分を見失いそうになります

Unpredictable as weather
She’s as flighty as a feather

天気みたいに予想ができない
羽みたいにふわふわしている

She’s a darling
She’s a demon!
She’s a lamb

かわいい子ですよ
悪魔です!
子羊です

She’d outpester any pest
Drive a hornet from its nest
She could throw a whirling dervish out of whirl

害虫も寄せ付けない
スズメバチも巣から逃げ出す
イスラムの修道僧も踊りを止める

She is gentle
She is wild!
She’s a riddle
She’s a child
She’s a headache!
She’s an angel
She’s a girl

優しい子ですよ
野蛮な子です!
謎です
子供なんです
頭痛のタネです!
天使です
女の子ですよ

How do you solve a problem like Maria?
How do you catch a cloud and pin it down?
How do you find a word that means Maria?
A flibbertigibbet! A will-o’-the wisp! A clown!

マリアのような問題児はどうしたらいいのかしら?
雲をつかまえてとどめておくなんてできるのかしら?
マリアって本当に、どういう子なのかしら?
チャランポラン、あまのじゃく、お調子者

Many a thing you know you’d like to tell her
Many a thing she ought to understand

あの子に言い聞かせたいことがたくさんあるわ
あの子にわかってほしいことがたくさんあるわ

But how do you make her stay
And listen to all you say
How do you keep a wave upon the sand

でも、どうやってあの子をおとなしく座らせて
言って聞かせられるっていうんですか
砂浜に打ち寄せた波をそこに止めておくことができますか

Oh, how do you solve a problem like Maria?
How do you hold a moonbeam in your hand?

ああ、マリアのような問題児はどうしたらいいのかしら?
月の光を手にとることなんてできるのかしら?

asset(資産、有益なもの)について

まず最初に目についたのが、この一行。

Maria is not an asset to the abbey.
(マリアはこの修道院のためになりません)
※上の動画の0:33からの部分

asset = 資産、有利なもの

asset は、文章では資産運用なんかの記事でよく見る単語ですが、英会話では人材に関する話題でよく使われます。

映画を見ていても非常によく目にする言葉ですね。

映画『スターウォーズ帝国の逆襲』より
Yes. He would be a great asset. Can it be done?
(うむ。彼は大きな力になるだろう。[彼を味方に引き入れることは] 可能かね?)

映画『マーズ・アタック!』より
Mr. Bava, I’m an asset to this hotel. I mean, they like me around here.
(バヴァさん、僕はこのホテルにとって有益な人材ですよ。ほら、みんなにも気に入られてますし)

上の2つは普通に有益な人材の意味で使われてますね。

映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』より
Be careful! Protect the assets!
(気をつけろ! 資産 [女たちのこと] は守れ!)

上は少し特殊な状況で、「近未来の独裁国家の王様の妊娠した側室たち」を指していて、国家の資産子宝の両方の意味がかけ合わさってますね。

『サウンド・オブ・ミュージック』のこの場面では「マリアがいるとここの規律が乱れるし、わたしたちも厄介ごとが増えるし、まったく修道院にとってお荷物にしかなりません!」と尼僧たちが口を揃えて院長に文句を言っているわけですね。

DVDの日本語字幕では「マリアは修道院には向かない」と少し意訳してあります。

in her behalf

I’d like to say a word in her behalf
Maria makes me laugh

あの子のためにひと言いわせてください
マリアはいつもわたしを笑わせてくれます

ここに出てくる in her behalf についての解説は前回の記事で書きましたので、そちらを参照してください。

on behalf of と in behalf of の違い

confused と bemused の違いに confused

次に気になったのはこちらの表現。

When I’m with her, I’m confused, out of focus and bemused
(マリアといると、混乱しきて、クラクラしてきて、わけがわからなくなります)

bemuse ってなかなか見ない言葉ですが、「混乱する」「困惑する」「ぼんやりする」などの意味があります。
そうすると、直前に出てくる「confuse(混乱する)」とどう違うのか? という疑問がわいてきます。

いろいろ調べてみましたが、ネイティブの意見もバラバラで統一したものがなく、はっきりしているのは bemuse より confuse の方がよく使われる、というくらいで、それほどこの2つの言葉に大きな違いはないようです。

ひとつ、海外の知恵袋で以下のような説明文を発見して、なるほどと思ったので転載しておきます。

When a wife caught his husband with a girl in bed, she is confused.
(もし奥さんが、旦那さんと他の女性がベッドにいるところに出くわしてしまったら、confused

When a wife caught his husband with a boy in bed, she is bemused
(もし奥さんが、旦那さんと他の男性がベッドにいるところに出くわしてしまったら、bemused

この例えによると、
confused は「もうどうしていいのかわからない!」な状態。
bemused は「もうなんだかわからない!」な状態、
という感じですね。

ちなみにGoogleの画像検索をしてみると、
confused頭の中がゴチャゴチャ、な感じ、
bemused頭の中がまっ白(またはボンヤリ)、な感じ、
といった印象です。

confusedbemused

あとがき

この歌のマリアは「flibbertigibbet(悪魔の名前、おしゃべり娘)」とか「will-o ‘-the-wisp(鬼火)」とか、いろんなものに例えられて、本当に「えらい言われよう」という感じですね。

コメント

  1. より:

    この「えらいいわれよう」の曲が、本人が花嫁になる結婚式でも流れる(アレンジではあるが)、という深みよ。シスターたちが見守ってるんだぜ

  2. トム より:

    確かにそうですね。
    私は、以前のマリア(曲の歌詞)と今のマリア(映像)の対比の中に、「あのおてんば娘が花嫁衣装を着る日がくるなんて」というシスターたちの感慨深い気持ちが投影されているような気がします。