「昇進する」を英語で?【ロッキー・ホラー・ショー】

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映画『ロッキー・ホラー・ショー』の、最初のブラッドとジャネットの会話を見ていて目に止まった「昇進する」を意味する英語表現を本日は解説したいと思います。




目次

英文の引用と和訳:ブラッドとジャネットの会話

引用するのは友達の結婚式に出席した直後の、ブラッドとジャネットの会話。

上に貼った動画では2:05からの部分。
映画本編では始まってから6分半くらいからのところです。

JANET : Brad, wasn’t it wonderful? Didn’t Betty look radiantly beautiful? Oh, I can’t believe just an hour ago she was plain old Betty Munroe. And now. Now, she’s Mrs. Ralph Hapschatt.
BRAD : Yes, Janet. Ralph’s a lucky guy.
JANET : Yes.
BRAD : Everyone knows Betty’s a wonderful little cook.
JANET : Yes.
BRAD : And RaIf himseIf will be in line for promotion in a year or two.
JANET : Yes.

ジャネット「ブラッド、素敵じゃない。ベティ、輝くように綺麗だったわよね。ああ、信じられない。ほんの1時間前ただのベティ・マンローだった彼女が、今は・・・今は、ラルフ・ハプスコット夫人よ」
ブラッド「そうだね。ジャネット。ラルフはラッキーなやつさ」
ジャネット「ええ」
ブラッド「ベティはお料理上手だそうだね」
ジャネット「ええ」
ブラッド「それに、ラルフも来年か再来年には昇進が約束されている」
ジャネット「ええ」

「昇進を約束されている」を英語で?

今日の記事で注目したいのはこちらのセンテンス。

RaIf himseIf will be in line for promotion in a year or two.
(ラルフも来年か再来年には昇進が約束されている)

こちらにこんな熟語がありますね。

in line for promotion = 昇進を約束されている

他の映画からも用例をひとつ。

映画『博士の異常な愛情』より
Heck, I reckon you wouldn’t even be human beings if you didn’t have some pretty strong personal feelings about nuclear combat. I want you to remember one thing, the folks back home are counting on you and by golly, we ain’t about to let them down. I tell you something else, if this thing turns out to be half as important as I figure it just might be, I’d say that you’re all in line for some important promotions and personal citations when this thing is over with. That goes for every last one of you, regardless of your race, color or your creed. Now let’s get this thing on the hump.
(なあに、核攻撃に強い抵抗を感じない人間などいないさ。これだけは覚えておいてほしい。諸君は故郷に残してきた家族たちの期待を裏切るわけにはいかないということを。それから、これも言っておく。この任務の重要度を半分程度に見積もったとしても、完遂後は諸君に大きな昇進と勲章が約束されるだろう。諸君の人種・肌の色・信仰に関わらず、全員にだ。さあ、やり遂げようじゃないか)

この in line for promotion という熟語は以下の2つの要素に分解できます。

in line for = 〜を求めて列をなしている、〜を得る見込みで

promotion = 昇進

line についてはまたいつか別の記事でじっくり解説するとして、本日は「promotion(昇進)」について、いろんな映画から用例を参照しつつ、勉強してみたいと思います。

「昇進する」を英語で?

「昇進する」を辞書で調べてみると、以下の2つが載っています。

get a promotion

be promoted

これの他にも get promoted という言い方もありますね。

それではひとつひとつ、用例を見てみましょう。

get a promotion の用例

まずは get a promotion の用例。

映画『メメント』より
We turned down his claim on the grounds that he wasn’t covered for mental illness. His wife got stuck with the bills and l got a big promotion.
(精神病は保険対象外だったので、彼の請求を却下した。彼の奥さんは借金まみれ、そして俺は昇進した

ドラマ『FARGO/ファーゴ』S1E1より
He can afford it, your brother. Kitty said he just got a big promotion after only working there a year. Kitty said they also got one of those fancy new surround sound systems. Guess I married the wrong Nygaard.
(あなたのお兄さんなら賄えるわよ。キティが言ってたわ。彼、1年勤めただけでもう昇進したんだって。豪勢なサラウンドシステムも買い揃えたそうよ。わたし、結婚するナイガードさんを間違えたみたい)

辞書によると、以下のように get の代わりに以下の動詞を使う場合もあるようです。

obtain promotion

win promotion

ただこの2つは映画での用例は見つからなかったので、あまり使用頻度は高くないのかもしれません。

be promoted の用例

次に be promoted の用例。

映画『フルメタル・ジャケット』より
Private Snowball, you’re fired! Private Joker is promoted to squad leader!
(スノーボール二等兵! 貴様はクビだ! ジョーカー二等兵を分隊長に昇進させる!)

映画『俺たちニュースキャスター』より
Hello, Veronica, this is Mike Rithjin from the network. You”ve just been promoted. You’re gonna need to move to Moscow. Start cleaning up your desk.
(もしもし、ベロニカかい。局のマイク・リジンだ。君の昇進が決まった。モスクワに移転してくれ。直ちにデスクを片付けるように)

「昇進させる」を英語で?

be promoted は受動態ですが、能動態で使用すると、当然ですが promote は「昇進させる」という意味になります。

こちらの用例もふたつ。

映画『地獄の黙示録』より
Kurtz staged Operation Archangel with combined local forces. Rated a major success. He received no official clearance. He just thought it up and did it. What balls. They were going to nail his ass to the floorboards for that one, but after the press got hold of it, they promoted him to full colonel instead. Ah, man. The bullshit piled up so fast in Vietnam, you needed wings to stay above it.
(カーツは現地軍と共に“大天使”作戦を決行。大成功を収めた。彼はこれを正式な許可も無く、独断で行った。なんて肝っ玉だ。上層部はカンカン。しかしマスコミが騒いだお陰で、彼は大佐に昇進。なんてこった。羽でもはやさなきゃ越えられないほど、ベトナムはデタラメが山積みだ)

映画『未来は今』より
REPORTER : Mr. Barnes, did the board consider you an “idea man” when they promoted you from the mail room?
BARNS : Well, I guess so. I don’t think they promoted me because they thought I was a schmo.

記者「バーンズさん。役員会があなたを郵便係から昇進させたのは、あなたが“アイデアマン”だと思われたからでしょうか?」
バーンズ「だと思いますよ。アホだと思われたから昇進させてくれたとは思えませんからね」

「自分を売り込む」を英語で?

ちなみに promote の目的語を oneself(自分自身)にすると、「自分を売り込む」という意味になります。

promote oneself = 自分を売り込む

映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』より
NUX : That’s my wheel.
SLIT : I’m driving.
NUX : You’re my lancer.
SLIT : I just promoted myself.
NUX : Not today. Today is my day.
SLIT : Look at you. If you can’t stand up, you can’t do war.

ニュークス「それは俺の車だ」
スリット「俺が運転する」
ニュークス「お前は俺の槍手だろ」
スリット「自分を売り込んできたんだ」
ニュークス「今日はダメだ。今日は俺の晴れ舞台なんだ」
スリット「自分を見てみろ。立ち上がれもしないで、戦ができるかよ」

その他のボキャブラリー

radiantly = 晴れやかに、輝いて

plain old = 普通の、しがない

ロッキー・ホラー・ショーのブラッドとジャネット

ブラッドとジャネット(出典:imdb

あとがきにかえて – go places

本日は映画『ロッキー・ホラー・ショー』の会話をきっかけに、「昇進する」を意味する英語表現を解説してみました。

ちなみに「昇進する」と似たような言葉で「出世する」という言葉がありますよね。

『ロッキー・ホラー・ショー』の続編である『ショック・トリートメント』という映画で、「出世する」を意味するこんな表現を見つけたので、最後はこちらをご紹介してこの記事を終わりにしたいと思います。

go places = 昇進する

文字通りには「あちこちへ行く」という意味ですが、これで「出世する(成功する)」という意味になるんですね。

映画『ショック・トリートメント』より
NATION : Don’t forget who we’re doing this for.
JANET : Who?
COSMO : Brad.
JANET : You know, I’m getting awfully sick of hearing about that emotional cripple. I’ve got a lot going for me, you know. I’m going places. I’m gonna be someone.

ネイション「誰のためにやっているのか忘れちゃダメよ」
ジャネット「誰?」
コズモ「ブラッドだろ」
ジャネット「あのね、わたしはあんな人格破綻者のことを聞くのはほとほど嫌気がさしてるの。わたしにはやることがいっぱいあるんだから。わたしは出世するのよ。生まれ変わるの」

上に引用した会話、最初に引用した会話と比べると、ずいぶんブラッドとジャネットの様子が変わったもんですね。

ついでにもうひとつ。

ドラマ『FARGO/ファーゴ』S1E1より
CHAZ : Boss took me out for dinner.
KITTY : Just the two of ‘em.
CHAZ : Steak big as a catcher’s mitt. Said, “Chaz, you’re going places in this world.”
KITTY : Gave him a raise and a corner office.

チャズ「上司が夕食に招待してくれたんだ」
キティー「二人だけでよ」
チャズ「キャッチャーミットみたいにデカいステーキを食べながら言ったんだ。チャズ、お前はこの世界で出世していくんだ」
キティー「昇給の上、角のオフィスをあてがわれたのよ」

上の用例は先に引用した同じドラマの用例と同じ内容ですね。

こうやって関連づけて覚えていくのが効率よくボキャブラリーを増やすコツだと思いますので、本日はいろいろ引用してみました。

それではみなさま、また次回。