Fixer Upper(愛さえあれば)の歌詞(和訳あり)で英語の勉強【アナと雪の女王】

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本日は映画『アナと雪の女王』の歌『Fixer Upper(愛さえあれば)』をとりあげます。

まずは英語の歌詞と私の和訳をどうぞ。

Fixer Upper
愛さえあれば

What’s the issue, dear?
Why are you holding back from such a man?
Is it the clumpy way he walks?

何が問題なの、お嬢さん?
彼みたいな男に尻ごみしているそのワケは?
彼の歩き方がドスドスうるさいから?

Or the grumpy way he talks?
Or the pear-shaped, square-shaped
Weirdness of his feet?

それとも、彼のしゃべり方がガミガミ気難しいから?
それとも、彼の足が洋梨みたいで、角ばってて
ヘンだから?

And though we know he washes well
He always ends up sort of smelly.

あと、ちゃんと洗ってはいるのに
いつもなんだか臭っちゃうとことか

But you’ll never meet a fellow who’s as
Sensitive and sweet!

でも、彼ほど繊細で優しい
男の人にはもう会えないわよ!

That’s nice, but …

それはステキね、でも……

So he’s a bit of a fixer-upper,
So he’s got a few flaws.

そう、彼は少し改善が必要
そう、彼はちょっと欠点がある

Like his peculiar brain dear,
His thing with the reindeer.
That’s a little outside of nature’s laws!

彼の偏った考え方とか
彼のトナカイへの偏愛ぶりとか
ちょっと自然の法則に反しているね!

This is not about me!

俺のことはいいから!

So he’s a bit of a fixer-upper,
but this we’re certain of
You can fix this fixer-upper
Up with a little bit of love!

そう、彼は少し改善が必要
でも、これだけは確か
少しの愛さえあれば
アナタが彼を改善できる!

Can we please just
Stop talking about this?
We’ve got a real, actual problem here.

お願いだから
もうその話はやめてくれないか?
もっと深刻で差し迫った問題があるんだよ

I’ll say! So tell me, dear
Is it the way that he runs scared?

わかってる! だから教えて、お嬢さん
それって、彼のビクビク臆病なところ?

Or that he’s socially impaired?
Or that he only likes to tinkle in the woods?

それとも、彼の社交性のないところ?
それとも、彼がいつも森で立ちションするところ?

I did not need to know that.

それは知りたくなかったわ

Are you holding back your
Fondness due to his unmanly blondness?

アナタが躊躇しているのは
彼の男らしくない金髪アタマ?

Or the way he covers
Up that he’s the honest goods?

それとも、彼は本当は誠実な人なのに
それを素直に表に出さないところ?

He’s just a bit of a fixer-upper,
He’s got a couple of bugs

彼はちょっと改善が必要なだけ
彼はちょっとシラミを飼ってるだけ

No I don’t!

飼ってねえよ!

His isolation is confirmation
Of his desperation for healing hugs

彼が孤独でありたがるのは
癒しのぬくもりを死ぬほど求めていることの裏返し

So he’s a bit of a fixer-upper,
But we know what to do
The way to fix up this fixer-upper
Is to fix him up with you!

そう、彼はちょっと改善が必要
でも、わたしたちにはわかってる
改善が必要な彼を改善するには
アナタと改善することよ!

ENOUGH! She is engaged
to someone else, okay?!

もうたくさんだ!
彼女は他に婚約者がいるんだ、わかったか!?

(トロールたち、目をぱちくり)

So she’s a bit of a fixer-upper,
That’s a minor thing.
Her quote “engagement” is a flex arrangement.
And by the way I don’t see no ring!

そう、彼女もちょっと改善が必要
大したことじゃない
“婚約”とは言っても、まだどうとでもなる
それに第一、指輪してないし!

So she’s a bit of a fixer-upper,
Her brain’s a bit betwixt
Get the fiancé out of the way and
The whole thing will be fixed.

そう、彼女はちょっと改善が必要
彼女の心はちょっと揺れ動いている
婚約者にはご遠慮いただくことにして
すべてはまるく収まるって寸法さ

We’re not sayin’ you can change him,
‘Cause people don’t really change.
We’re only saying that love’s a force
That’s powerful and strange.
People make bad choices if they’re mad,
Or scared, or stressed.
Throw a little love their way.

彼を変えられる、とは言ってないのよ
だって人は本質的に変わらないもの
わたしたちが言いたいのは
愛は強くて未知の力を持っているってこと
人は我を忘れたり、恐怖にかられたり
重圧に負けたりして、間違った選択をすることもある
そこに、ささやかな愛をふりまいてごらん

And you’ll bring out their best.
True love brings out the best!

そうすれば、最善の状態を引き出せる
真の愛は最善をもたらすの

Everyone’s a bit of a fixer-upper,
That’s what it’s all about!

誰だって、多かれ少なかれ改善が必要
つまりはそういうものよ!

Father!
Sister!
Brother!
We need each other
To raise us up and round us out.

お父さん!
兄弟!
姉妹!
みんな元気になって、一丸となるために
お互いを必要としている

Everyone’s a bit of a fixer-upper,
But when push comes to shove

誰だって、多かれ少なかれ改善が必要
でも、いざというときには

The only fixer-upper fixer
That can fix a fixer-upper is

改善が必要な人を改善できる
唯一の改善屋さんは

True! true!
True, true, true!
Love (True love)
Love, love, love, love, love
Love! (True love!)
True…

真の! 真の!
真の、真の、真の!
愛(真の愛)
愛、愛、愛、愛、愛
愛!(真の愛!)
真の……

Do you, Anna, take Kristoff to be your troll-fully wedded-

アナ、汝はクリストフを、まことろおるに夫とし……

Wait, what?!

ちょっと待って、なに!?

You’re getting married!

結婚するのです!




英語の解説

Fixer Upper

まずはタイトルについて。

この曲の日本語タイトルって『愛さえあれば』っていうんですね。

もともとのタイトルの意味は

Fixer Upper = 改善が必要なもの(人)

購入後に修理して使わないといけない商品なんかを指す言葉だそうです。
例えば屋根に穴が空いてたりして、リフォームをすることを前提で安く売りに出されている家とか。

この曲は、トロールたちがアナにクリストフを「購入後に修理が必要な物件ですけど、いい家ですよ」と売り込んでいる歌、という見立てができますね。

issue と problem の違い

What’s the issue?
何が問題なの?

ここで issue という言葉が「問題」というような意味で使われていますね。
「問題」というと problem という言葉の方が日本人には馴染みがあると思いますが、issue と problem の違いはなんでしょう?

大雑把にいうと、こういうことです。

problem = 解決しないといけない問題
issue = 争点となる問題

problem より issue の方が軽い感じですね。

この歌の文句を「What’s the problem?」と言い換えてみると、「この人のどこが悪いの?」みたいに、ちょっとキツい言い方になりますね。

ところが issue だと「引っかかっていることはなに?」みたいに、だいぶやんわりとしたニュアンスになりますね。

hold back from

Why are you holding back from such a man?
彼みたいな男に尻ごみしているそのワケは?

hold back from = 手を控える、自制する

clumpy

Is it the clumpy way he walks?
彼の歩き方がドスドスうるさいから?

clumpy = かたまりの多い、こんもりとした、ドスンドスンという

Grumpy

Or the Grumpy way he talks?
それとも、彼のしゃべり方がガミガミ気難しいから?

grumpy = 気難しい、不機嫌な

ends up

He always ends up sort of smelly
いつもなんだか臭っちゃう

ends up = けっきょく最後は〜なってしまう

flaws

So he’s got a few flaws
そう、彼はちょっと欠点がある

flaw = きず、ひび、欠点

この『アナと雪の女王』のちょっと前のシーンで、クリストフがエルザの城を前にして

flawless
傷ひとつない

と言うセリフがありました。

こういう関連するボキャブラリーはセットで覚えると効率がいいですね。

one’s thing

His thing with the reindeer
彼のトナカイへの偏愛ぶり

one’s thing = 〜の好きなこと

以前、「強迫観念」を英語で?という記事で、以下のボキャブラリーを勉強しましたね。

have a thing for = 〜が好き

thing の使い方としてはこの熟語と同じだと言えます。

be certain of

but this we’re certain of
You can fix this fixer-upper
Up with a little bit of love!

でも、これだけは確か
少しの愛さえあれば
アナタが彼を改善できる!

be certain of = 〜を確信している

run scared

Is it the way that he runs scared?
それって、彼のビクビク臆病なところ?

run scared = ビクビクする

Impaired

Or that he’s Socially Impaired?
それとも、彼の社交性のないところ?

Impaired = 正常に機能しない、障害のある

tinkle

Or that he only likes to tinkle in the woods?
それとも、彼がいつも森で立ちションするところ?

tinkle = チリンチリンと鳴る、おしっこをする

honest goods

Or the way he covers up that he’s the honest goods?
それとも、彼は本当は誠実な人なのに、それを素直に表に出さないところ?

ここにちょっと理解が難しい厄介な言葉がありますね。

honest goods って、なんでしょう?

honest = 正直な、信頼できる、偽りのない
goods = 商品、品物

この歌は、さっきも言ったように、トロールたちがクリストフをアナに「売り込んでいる」わけですから、

honest goods = 偽りのない品物

つまり、「彼はホンモノですよ」という解釈ができます。

あるいは、goods は「人間」の暗喩だと受け取れば「彼は正直な人だ」という解釈もできると思います。

数行前に出てくる tinkle in the woods と韻を踏むためにこういう表現を考え出したんだと思いますが、それだけに意味はじゃっかん曖昧ですね。

isolation, confirmation and desperation

これもひねりが効いてて解釈が難しい1行ですね。

His isolation is confirmation of his desperation for healing hugs
彼が孤独でありたがるのは、癒しのぬくもりを死ぬほど求めていることの裏返し

isolation = 孤立、隔離、絶縁
confirmation = 確認、立証、承認
desperation = 自暴自棄、やけくそ、死に物狂い
healing = 癒しの、ヒーリング
hug = ハグ、抱きしめる

直訳すると「彼が孤独でありたがるのは、癒しのぬくもりを死ぬほど求めている証拠」ということになります。

しかし、これだと意味がスムーズに伝わらないので、

証拠 → 裏返し

と意訳しました。

なんでそうなるのか、という気もしますが、クリストフのひねくれた性格のよき理解者であるトロールたちにしか言えないセリフなんでしょうね。

quote?

Her quote “engagement” is a flex arrangement
“婚約”とは言っても、まだどうとでもなる

quote = 引用
flex = 柔軟な、融通のきく
arrangement = アレンジ、取り決め

ここに出てくる「quote(引用)」というのは「” “」の部分を言葉に出して言っている、ってことだと思います。

betwixt

Her brain’s a bit betwixt
彼女の心はちょっと揺れ動いている

betwixt = betweenの古語

ここで betwixt なんて変な言葉が使われているのは、2行あとの be fixed と韻を踏んでいるんですね。

ただ、古語とはいっても、たまーに映画やドラマで聴きますね。

raise up と round out

We need each other to raise us up and round us out.
みんな元気になって、一丸となるために、お互いを必要としている

raise someone up = 〜を元気づける、〜を奮起させる、〜を高揚させる
round out = まるみをつける、仕上げる

この round out という表現は、トロールたちがゴロゴロころがるところにかけているんだと思いますので、日本語でも「一丸となる」と訳してみました。

when push comes to shove

but when push comes to shove.
でも、いざというときには

この1行はほとんどまるごとひとつの熟語です。

when (if) push comes to shove = いざとなったら、いざという時には

push = ひと押し、後押し
shove = 押す、押しやる

具体的には、

荒療治が必要になったら
最悪の事態だけど、もうやらなきゃ後がなくなったら

みたいな意味で使われる言葉だそうです。

troll-fully?

最後はこちら。

Do you, Anna, take Kristoff to be your troll-fully wedded-
アナ、汝はクリストフを、まことろおるに夫とし……

troll-fully というのは lawfully(法的に、正当に)と troll(トロール)を掛け合わせたシャレですね。

あとがき

本日はトロールたちが歌う曲『Fixer Upper(愛さえあれば)』をとりあげました。

トロールたちがかなり騒がしい歌ですが、その分いろんな言葉が出てくるので、とても英語の勉強になりますね。

ムーミンの家