映画で英語のリスニング徹底解説 〜正しい勉強法してますか?

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聴いている彫刻

映画を使った英語のリスニング勉強法について。

もう一度ちゃんと書いておきたくなったんですね。

なぜかというと、最近いろいろと映画を使った英語の勉強法を紹介したサイトやブログを散歩していて、ちょっと気になることがありまして。

というのは、リスニングの勉強法、知らずに効率の悪いことやってる方、けっこういるのではないか、と思うところがあったんですね。
(その理由は後ほど触れます)

あとそれから、前にリスニングは多聴と精聴の両方をやると効果的、と書いたんですが、「精聴」についての説明がちょっと不十分だったような気がするんですね。
(過去記事「英語のリスニングのコツは精聴にあり! 映画は最強のリスニング教材」参照)

そこで本日はリスニングのおすすめ勉強法パート2、ということで、映画を使った英語のリスニングについて書きたいと思います。

ちなみにパート2とはいっても、この記事から先に読んでなんら問題はありません。




目次

英語リスニング勉強法の最強方程式、多聴と精聴

ここで前に書いたことをちょっとおさらいしますね。

英語のリスニングの勉強法は、多聴と精聴をやると効果的、と書きました。

多聴とは、とにかく英語でしゃべっている音声を聴きまくる

これは短時間でどれだけの量を聞きまくれるかが勝負です。
ニュース、トークショー、オーディオブック、インタビュー、Podcast、その他、英語をしゃべっている音声ならなんでもいいので、掃除をしながらでも、通勤途中にヘッドフォンででも、寝ながらでも、とにかくたくさん聴いて英語に耳を慣らすことがポイントです。

多聴の素材は自分のリスニング能力に合ったものを選ぶのがベストですが、最初は構わずにいろいろ聴いてみましょう。

私の感覚では、だいたい聴いていて英語が最低でも半分以上は理解できる英語のしゃべりが多聴には適しています。

これはいろいろ聴いていると、アナウンサーとか司会者とかナレーターとかで、自分のリスニング能力にぴったりの番組なり素材に必ずぶち当たりますので、そういうのが見つかったら、そればかりで多聴をしていけばいいんです。

だからそういう適した素材が見つかるまでは、とにかく最初は聴きまくる。

さて、それに対して精聴とは、じっくりテキストに当たりながら英語を聴く

例えば、映画を字幕なしで見ますよね。
俳優がしゃべっていることがわからなかったら、すぐに一時停止を押して、テキストを確認する。

「ふむふむ、なるほど。こう言っているんだな」

と思いますよね。

もう一度、巻き戻して、同じ部分を聴く。
ここで終わりにしない。

テキスト通りに聴こえない場合は、もう一度巻き戻して聴き直す。
10回までは諦めずに繰り返し聴き続けてください。

これが精聴です。

ここまでは前に書いたことのおさらいでした。

問題はここからです。

ちなみに多聴はとにかく範囲が広いんで、とくにこれ以上の補足説明はいりません。

洗濯をしながら英語の歌を流しておく、なんてのも多聴のひとつですし、じっくり机に座って目をつぶってヘッドホンで英会話の教材を聴く、というのも多聴のひとつです。

多聴は精聴で学んだことを頭に定着させるためのものなので、精聴さえしっかり間違いのない方法をやっていれば、多聴はもうほとんど量の問題なので、ぶっちゃけもうなんでもいいんです。

問題は精聴を正しくやっているかどうか、なんですね。

聴いている彫刻

英語のリスニングの勉強法に正しい精聴を取り入れているか?

ずいぶん長いこと英語のリスニングの勉強をやっているのに、ぜんぜん英語がわかるようにならない。

そういう方は、だいたいの場合、ちゃんとした精聴をやっていないことが原因です。

私がおすすめする勉強法をやれば、1年以内に簡単な映画であれば字幕なしで映画が見れるようになれます。

リスニングの勉強を2年以上やっていて、字幕なしで観れる映画がひとつもない、という方は、勉強法を見直した方がいいです。

例えば映画を使って英語のリスニングの勉強をやっている方で、こんな人はいないでしょうか。

映画を最初から最後まで繰り返し見る。最初は、

(1)日本語字幕つきで観てストーリーを確認し、次に

(2)字幕なしで観て英語のリスニングに集中し、今度は

(3)英語字幕を表示させて観て、英文を確認する。

勉強法によっては、この後

(4)英語字幕を見ながら音読する、

なんてのもありますね。

「(3)英語字幕を表示」のところで知らないボキャブラリーや構文をノートに書き出す、なんてのもあります。

他にも順番が違うだけで同じような勉強法が巷にあふれています。

これらは私がおすすめする勉強法とは違いますが、「こんな勉強法はよくない!」などとは言いません。
むしろこれはとてもイイ勉強法だと思います。

私がここで問題にしたいのは、もうちょっと詳細の話しで、つまりこの勉強法でいうと、だいたい

(3)英語字幕を表示させて観る

あたりの過程で、どれだけDVDの一時停止を押して巻き戻したのか、同じ部分を繰り返し聴いたのか、なんです。

はっきり言って、それをほとんどやっておらず、これらすべての過程で、映画を最初から最後まで通して見た、というのなら、これはすべて「多聴」の範囲で、「精聴」はほとんどやっていないに近いです。

これだと、英語のリスニングはあまり上達しません。

一本の映画ぜんたいを精聴するとしたら、1日1時間もの勉強時間をとったとしても、まず数日か数週間かかって当たり前です。

精聴はセリフひとつひとつ、シーンひとつひとつを集中的に、時間をかけてじっくりやるものです。

この精聴なくして、リスニングの成長なし、と心得ましょう。

英語のリスニング上達に効果的な勉強方法

絶対にリスニングが上達する勉強法をこれからお話しします。

英語のリスニングの勉強に、ひとつの映画を最初から最後まで繰り返し見る

これ、はっきり言ってダメな勉強法なんですね。

第一、英語のリスニングが上達する前に、その映画、見飽きます。

ひとつのシーンを繰り返し見る

これはとてもいいです。

しかし一番、英語のリスニングが上達するのは、

ひとつのセリフを繰り返し聴く

これです。

映画を字幕なしで観て、聴き取れない部分があったら、すぐ一時停止を押して、テキストを確認し、巻き戻して同じ部分をまた聴く。

その際、テキスト通りにちゃんと聴こえて、意味も頭にスッと入ってきたら、次に進んでいいんです。

しかし、もしテキスト通りに聴こえなかったり、意味がスムーズに頭に入ってこなかったら、その場でもう一度巻き戻して、また聴いてください。

例えば映画を見ていて、

ユーマスタヴァサマイデァ

というセリフがあったとします。

あなたは「ん? 今、なんて言ったのかわからなかったぞ」と思って、もう一度巻き戻して聴いてみますよね。

それでも何と言ってるかわからないので、テキストに当たってみると、

You must have some idea.

と書いてあった。

「なるほど、そう言ってたのか」

とあなたは思う。

ここで終わりにしてはいけないんです。

もう一度、DVDを巻き戻し、同じ部分をまた聴くんです。

ところが、もう一度聞いても、ぐちゃぐちゃっとした英語で

ユーマスタヴァサマイデァ

と聴こえてくるばかり。

こういう場合は、ちゃんと

You must have some idea.

とテキスト通りに聴こえてきて、その意味も頭にスッと入ってくるまで、何度も聴き直すんです。

さらに、ひとかたまりのダイアローグが終わった段階で、そのシーンを通しで聴いて、まるごとちゃんと聴きとれて、意味もスラスラ頭に入ってくるまで、さらに繰り返し聴いてください。

これが本当の精聴です。

どんなリスニングの勉強法をしてもいいと思うんですけど、とにかくこの、テキストに当たりながら、同じ部分をしつこく繰り返し聴く、この過程は必ずあなたの勉強法のどこかに組み込んでください。

じゃないと、あなたのリスニングの勉強法にはどこにも精聴する部分がない、ということになってしまいます。

ひとりぼっちの彫刻

英語がテキスト通りにリスニングできてくるコツ

それでもなかなかセリフがテキスト通りに聴こえてこない場合ってありますよね。
そういう場合は、なんでテキスト通りに聴こえてこないのか、その理由に注目するんです。

you must have some idea

というセリフが

ユー・マスト・ハヴ・サム・アイデア

と聴こえずに

ユーマスタヴサマイデア

と聴こえてしまう。

これは簡単ですよね。

英語は前の単語のケツが次の単語のアタマになるという法則がありますから、

must have

は「マスト・ハヴ」じゃなくて「マスタヴ」になるし、

some idea

は「サム・アイデア」じゃなくて「サマイデァ」になるわけです。

他にも例えば

get you

なんて、「ゲット・ユー」とは聴こえずに

ゲッチュー

みたいにぐちゃっと発音されますよね。

何度聴いてもテキスト通りに英語が聴こえてこない場合は、こんな風に、どこの部分がどう変化したのか、ぐちゃっと省略されたのか、それらをちょっと意識して、何度も聴き直すと、テキスト通りの英文がクリアに聴こえてきます。

こんな感じで、ぜひテキスト通りの英文を頭の中に響かせてみてください。

効果的なリスニングの勉強法を見分ける法則

リスニングの勉強法は、どんなものでも、自分に合ったやり方をすればいいんです。

ただ、その勉強法のどこかに、正しい精聴を取り入れること。

正しい精聴をやっているのにリスニングが上達しない場合は、多聴が少ない可能性もあるかもしれません。

しかし大体の場合は、正しい精聴を取り入れていないことが英語のリスニングが上達しない原因です。

私がこの記事を書こうと思った動機は、Google で「映画 英語 リスニング」などで検索すると、この一番重要な「ホンモノの精聴」の過程に詳しく言及していない勉強法があまりにも多いことに気がついたからです(2017年8月現在)。

そもそも映画はニュースやトークショーのようにずっとしゃべりっぱなしというわけではないので、多聴にめちゃくちゃ向いている素材、というわけではありません。

これが精聴だと、例えば数分の会話シーンを数時間かけて勉強したりすることもあるので、セリフのないアクションシーンが数分続いても、勉強中のひと休みのようなもので、効率なんてそれほど変わらないんです。

映画は精聴の素材として活用してこそ、その有効性を十二分に発揮するんですね。

それなのに、「英語 リスニング」で検索すると1ページ目に出てくるほとんどのサイトでこの「ホンモノの精聴」に触れているのにも関わらず、「映画 英語 リスニング」と「映画」をつけて検索すると、なぜか途端にこの「ホンモノの精聴」に触れているサイトが少なくなってしまう。

映画ほど精聴の素材に適しているものはなく、精聴の要素を取り入れずに効率的な映画での英語の勉強法などありえないのに、これは大きな矛盾ではないですか。

なので、映画を使った英語の勉強法で、精聴の説明に重点を置いていないもの、もしくは精聴がまったく組み込まれていないものは、私はどうかと思います。

逆に、いろんな英語のリスニングの勉強法がネットにあふれていて、「どれがイイのかわからない!」という方は、このホンモノの精聴がその勉強法に含まれているかどうか、で判断すれば間違いありません。

おわりに

精聴さえ正しく行っていれば、リスニングは確実に上達します。

普通は1年以内、遅くても2年以内に字幕なしで観れる映画に出くわさないようなら、リスニングの勉強法の見直しをおすすめします。

もしくは、1ヶ月単位で、ひとつの映画が先月より明らかに理解できるようになっているかどうか、を目安にしてみてください。

よく英語のリスニングの上達に近道はない、と言われますが、精聴をたくさんやればやるほど、上達は早まりますので、ある意味、精聴はリスニング上達の近道だと言うことができます。

英語のリスニングの勉強法に正しい精聴を取り入れて、字幕なしで映画を楽しめる人を目指しましょう!

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コメント

  1. カートマン より:

    何本くらいの作品で字幕なしに理解が可能になったら効果が実感できますか?

  2. トム より:

    私は1本で効果が実感できましたけど、個人差はあると思います。

  3. カートマン より:

    ありがとうございます!!めっちゃ頑張れそうです